福岡を『外』で売り込む情熱と行動力
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(株)グランディア 代表取締役社長 伊勢田 直
市場を求め動く
(株)グランディアは「Dear Earth(地球環境との共存)」を掲げ、環境、そして人に優しい建築物の創造を続けている。その代名詞となるのが、全邸供給型太陽光発電マンション「ソラーレ」シリーズだ。エントランス等の共用部分にのみ使用されることの多かった太陽光発電による電力を、すべての場所で使用できるようにした。
この取り組みはSII((社)環境共創イニシアチブ)にも認められ、一般レベルで浸透したエコ精神とも見事合致。同社は名実共に、福岡における「スマートマンション(環境への配慮・エネルギーの有効活用を提案するマンション)」のトップランナーとなる。しかし同社の伊勢田直社長は、福岡という市場が『成熟しているが故の苦悩』を語る。
「土地を探すのが大変難しい」。もちろん、まったくないわけではない。再開発が進む中央区・六本松や、香椎などに、主力のスマートマンションを始め、学生さんや単身赴任者向けの木造アパート建設の予定はしっかりと入っている。
それでもなお、伊勢田社長は難しいという言葉を引っ込めはしない。そこには、大阪で商売を軌道に乗せた友人の言い放った、「パイが違う」という言葉に感じた重みがあるからだ。「福岡への人口流入は毎年1万人あると言いますが、その大半が学生さんなんです」。
伊勢田社長は現在の、そしてこれから先の福岡に、どれだけ物件を買ってくれる『新規の顧客』がいるのかという点を、1人の経営者として冷静に観察している。世界に開かれているという利
伊勢田社長はまだ40代と非常に若い。もちろん『若い』というのは、肉体的な若さだけを意味するのではない。仕入れた情報を元に、即行動に移せる若さ。すなわちアグレッシブさを発揮できる精神力の若さである。
「大阪、あるいは東京で勝負してみたいという気持ちもあります。しかしそれだと、いずれは福岡と同じ問題にぶち当たるでしょう。ですから海外―とくにアジアで勝負してみたいと思います。もちろんパイオニアになるのは怖いですが、今は情報に気を配っていれば、前例を見つけ出すこともできます。良い条件があるとわかっているのであれば、恐れる必要はありません」。
そう語る伊勢田社長は、実際にシンガポール、マレーシア、そしてセブ島など、現地視察および商慣習の勉強会への参加をメインに、渡航予定をつくっている。もちろん予定段階ではあるので、今後どうなるかはわからない。
海外――とくに発展途上国では、日本と比べ土地の売買がしやすいという商環境的なメリットがある。地主さんとダイレクトにキャッシュのやり取りで、売買契約が済んでしまうケースも多い。同じ市場に留まり少ないパイを取り合うのではなく、大きなパイを求め外に目を向ける。その現状維持を良しとしない攻めの姿勢を、伊勢田社長のまとう雰囲気から感じ取ることができる。
国内ではすでに確立されたビジネスモデルや商品も、海外では『新しいもの』として受け取られる。そしてそれは、そのまま需要となり、商機を生み出す。グローバルな時代だからこそ、商業圏は自らが動くことで世界中につくり出すことができる。伊勢田社長から感じられる攻めの姿勢は、そのメリットを最大限に生かそうとしていることの表れでもある。福岡で確固たるブランド力を手にした伊勢田社長は、地産地消が叫ばれる国内に固執せずに、その福岡ブランドの力を海外でも示そうとしている。
「その日その日が戦いですから」。
伊勢田社長のその言葉は、福岡経済会に生きるすべての人の心を引き締めてくれる。※記事内容は2015年8月31日時点のもの
<COMPANY INFORMATION>
(株)グランディア
代 表:伊勢田 直
所在地:福岡市中央区大名2-10-29
福岡ようきビル6F
設 立:2002年9月
資本金:1,000万円
TEL:092-738-2520
URL:http://www.grandia.co.jp<プロフィール>
伊勢田 直(いせだ すなお)
1970年4月10日生まれ。東福岡高校卒。在学時はラグビー部に所属。現在でも母校の試合を観戦しに行くなど、ラグビーへの情熱は健在。2002年9月、(株)グランディア設立。関連キーワード
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