アビスパ、マリノス相手に価値あるドロー
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アビスパ福岡は、3月5日、横浜Fマリノス戦を、アビスパホームのレベルファイブスタジアムで迎えた。5年ぶりのJ1復帰後のホーム初戦とあって、スタジアムは大きな熱気のなかで午後7:00にキックオフ。当日の気温は、20℃前後と暖かく、時折強い風が吹くフィールドのコンディションのなか、1万6,968名(リーグ発表分)の観客が詰めかけた。
開始早々からアビスパは、積極果敢に攻撃を仕掛け、マリノスのゴール前に迫り続けた。とくにサイドバックからの効果的な攻撃によりマリノスの守備陣へ仕掛けていった。
そしてクリアボールにFW金森健志選手が抜け出し、敵陣の左のペナルティエリア付近で、マリノスのファールによりフリーキックを得た。6分にMF末吉隼也選手がキックをゴール前に放ち、そのボールにFWウェリントン選手がヘディングで合わせゴール。先制点を獲得した。この先制点の獲得で、アビスパは試合開始早々から幸先の良い流れを作り、試合の主導権を握った。その後のアビスパのゲームマネジメントは、守備的なポジショニングによる戦法で自ゴール前をブロックしたことで、マリノスに得点機をほとんど与えることなく前半終了を迎えた。後半に入ってからもアビスパは、守備的なゲームマネジメントによる戦法でマリノスに対峙。その守備的ななかでも有効的なカウンターアタックを仕掛けるなど、ゴールを狙う姿勢を保持し続けていた。だが、幾度もゴール前に迫ったものの、マリノスのゴールマウスを割ることができなかった。一方のマリノスも、後半に入ってから再度攻撃に活路を見出し、アビスパのゴールへ攻め続けた。それでも、アビスパの堅守に阻まれる。このように、両クラブとも膠着した状態が続いた。
70分過ぎからマリノスが波状攻撃を仕掛け、再三アビスパゴールに迫り続けた。だが、アビスパも、体を張った守備により得点を許さない。しかし、82分にアビスパDF濱田水輝選手のファールでマリノスにフリーキックを献上。アビスパの右ペナルティエリア付近から、マリノスの名手で元日本代表の中村俊輔選手のフリーキックが、ダイレクトにアビスパゴールを揺るがし1-1の同点に。その後、両クラブとも果敢にゴール前に迫る攻撃を見せるも、得点に至らずタイムアップとなった。アビスパ・マリノス両クラブとも、リーグ開幕戦は黒星スタートだった。そのため双方とも、何としても勝利を獲得したかったことは明確であり、その姿勢が鮮明に出ていた試合展開であった。マリノスは、中村俊輔選手を起点としたゲームマネジメントを実践。セットプレイも相当準備してきたことがわかった。
一方のアビスパは、初戦のサガン鳥栖戦とはまったく違うチームとなっていた。もちろん良い意味で、である。初戦よりさらに“全員守備”を徹底して、自慢の堅守を披露した。見方によっては、「守備的な戦法に偏り過ぎた」という意見もある。その通りかもしれない。それでも、アビスパの堅守がJ1でも通用することを証明できたことは、大きな収穫ではないだろうか。そして、どのクラブにも勝るとも劣らないハードワークによる“全員守備”からの速攻など、90分間チャレンジする姿勢が鮮明であった。まさに、価値あるドローであったと言えよう。
【河原 清明】
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