2024年11月22日( 金 )

地場業界による総合力でまちづくりに貢献

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(株)コーセーアールイー 代表取締役 諸藤 敏一

顧客満足度を高めることへ尽力

cre 福岡の地場デベロッパーのリーダーとして、業界を牽引する(株)コーセーアールイー。同社代表の諸藤敏一氏は、一般社団法人九州住宅建設産業協会(九住協)の理事長を兼務し、福岡と九州の住宅業界の活性化に、同会会員の企業一同とともに尽力している。

 同社は、諸藤代表が1992年8月に設立。93年5月に同社のファミリー型のマンションブランド『ラフォーレ』シリーズの第1号を東区箱崎に建設。以降、同じファミリー型の分譲マンション『グランフォーレ』シリーズと資産運用型マンションを福岡都心部および東京都、神奈川県、広島県、大分県、熊本県へ供給し、住空間を通したまちづくりに貢献している。

 同社が供給するマンションは、売り出し日から短期間で完売するケースが多数を占める。そのエピソードの1つに、福岡市中央区の百道地区に25戸の中規模マンションを、リーマン・ショック後の建設不況下の2010年に完成させたことがある。業界内が不安視するなか、見事に完売。しかも、即完売に近い短期の日数でクリアした。「ロケーションが良好であったことが最大の要因です」と諸藤代表は、当時、謙遜しながらその要因を語っていた。福岡地区で文教地区として名高い西新地区の周辺であったことと、建設地の向かいに西南学院があったことで、そのニーズを求めるファミリー層の申し込みが次々に舞い込んだという。もちろんロケーションは、マンション購買において重要なポイントであることは明らかである。プラス同社のマンションの販売における『準備力』が、どこよりも優れていることが要因として挙げられる。

 同社は、いかに顧客満足度を高めるかを、日々研究・探求している。その活動のなかで、顧客の声と時流に沿った商品の開発やサービスをつくり上げて、施主に提供し続けている。たとえば現況、環境共生を重視した企画・設計とするマンションや住宅が、トレンドの1つになっている。その流れに沿ったマンション供給は、もちろん同社でも実施している。特筆すべきなのは、同社は環境共生としてコンセプトであれば、そのコンセプトに対して徹底した住まいづくりを実践することである。すなわち、顧客満足度を高めるための指針を全社一丸となってきめ細かくリサーチし、情報収集と分析を的確にして、顧客のニーズに沿ったマンション建設の計画・企画、設計、施工、販売、そしてアフターフォローまで、すべて円滑になる準備を綿密に行っている。分譲マンションは、各社間で商品力に大差はないと言われているものの、同社のマンションは高付加価値の住まいをつくり、供給し続けている。

 また、分譲マンション事業とともに、不動産賃貸管理・仲介およびコンサルティング業への進出も積極的に行う。管理物件の取得においても、順調に推移している。商用および住居用の賃貸ビルの取得、建物管理事業を行うことを目的としたM&Aの実施など、多様化する顧客の趣向に対して真摯に向き合い、総合不動産業として日々進化し続けている。

 同社は、『30周年(22年)には100億円の売上高、東証一部上場』を掲げており、14年3月に発表した中期経営計画(15年1月期~17年1月期)における15年1月期は、63億7,120万円の売上高を計上。3期連続の増収で過去最高値となり、業績は順調に推移している。

福岡の活性化に尽力

 諸藤代表の、住まいの供給を通じて福岡地区の活性化に尽力する姿勢は不変であり、さらに強い意志で進めている。

 14年1月に、独立行政法人都市再生機構(UR)が保有する青陵の街・六本松地区(九州大学六本松キャンパス跡地)の土地譲受人へ入札した。これには、同社を含め九住協の会員企業11社が共同して応募したのである。マンションの供給戸数においては500戸規模の大プロジェクトである。従来なら最大手デベロッパーの独壇場であったが、諸藤代表は地場力の結集を呼びかけて同プロジェクトに参入した。結果は、落札とはならなかったが、「諸藤代表と賛同した九住協の会員企業のアクションに対して、敬意を表したい。なぜなら、福岡地場の住宅業界が新たな第一歩を踏み出した事象である。これから、地場の業界がまとまれば、大きな再開発などのプロジェクトを手がけるチャンスがあるということだ」とは、地元の不動産業関係者の談だ。

 諸藤代表は以前より、「地場のデベロッパーやゼネコン、そして専門工事会社、不動産関連、金融機関など、そして福岡市および福岡県と、さまざまな分野の企業や行政が一丸となって福岡のまちづくりに取り組むことが、地場経済の繁栄や地元の方々の幸せに直結するのです」と、地場の企業がそれぞれの持ち味を結集してまちづくりへの取り組みに参加することが、福岡の地域社会の活性化に貢献することができると述べていた。とくに人口が増加傾向にある福岡市においては、まちの再開発のプロジェクトが今後立ち上げられることが予想される。諸藤代表は表現を変えて、「地場の企業の持ち味を生かした『経済の地産地消』を実現していくことが、これからの福岡の地域活性化に貢献できることと確信しております。それに貢献するために私たちのできることは、理想の住まいを追求してお客さまへ提供していくことです。そして、長年の経験で培った力を生かして、福岡をより魅力あるまちにするためのまちづくりへ参加することです」と、『経済の地産地消』を掲げている。

 そのためには、まちづくりにおいて業界の最大手に対峙できるプロデュース力、企画・デザイン力、営業力、プレゼンテーション力、施工・監理力などをより高めていくことが必要不可欠であるという。そのためには、自社の日々の仕事で顧客満足度をより高めていくことに邁進することこそが、それらの力を高めていくのである。地場の総合力の結集こそが、大きな鍵となる。

 同社は15年1月に、那の津通り沿いの中央区長浜に(株)ランディックアソシエイツと共同で375戸の分譲マンションを建設することを表明した。この長浜、赤坂、大名地区は今後、大手・地場のデベロッパーが名乗りを上げて大規模なマンションを建設することを表明している。これらの地区で新たな分譲マンションの供給数は、約1,000戸となる。この同社とランディック社も共同事業での新規開発は、地場業界にとって新たな風を吹かせることに大いに貢献する。以前なら今回クラスの開発の規模であるなら、全国展開の業界大手のデベロッパーが行ってきた。「200戸、300戸規模のマンション開発は地場では厳しい」という先入観を同社はクリアした。地場の同業同士という共存での開発は、意義深い。

 今回の同社の表明は、同社が自ら「地場の力による経済の地産地消」を示したことになる。地元への貢献の使命を果たすという姿勢を、同社はより明確にしている。ますますの期待が同社に寄せられる。

※記事内容は2015年8月31日時点のもの

<COMPANY INFORMATION>
(株)コーセーアールイー
代 表:諸藤 敏一
所在地:福岡市中央区赤坂1-15-30
設 立:1992年8月
資本金:3億3,800万円
TEL:092-722-6677
URL:http://www.kose-re.jp

<プロフィール>
morofuji諸藤 敏一(もろふじ としかず)
1955年6月、福岡市生まれ。九州共立大学経済学部卒業。(株)すまい取締役を経て、92年9月(株)コーセー(現・(株)コーセーアールイー)を設立。2010年4月に(一社)九州住宅建設産業協会(九住協)の理事長に就任した。趣味は、ゴルフとマリンスポーツ。

 

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