ふくおかフィナンシャルグループの実力(4)
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西日本シティ銀行がついに動き出す
この『NetIB』でたびたび予測してきた通りの動きが、鮮明になってきた。予測したというのは、FFG(ふくおかフィナンシャルグループ)、KFG(九州フィナンシャルグループ)、西日本シティ銀行グループの、三竦みの銀行合併グループ形成が加速化されるであろうという指摘だ。
KFGの誕生は、西日本シティ銀行に強烈なショックを与えた。2番手が3番手に転落するのである。この打撃度は、表現できないほど痛烈であった。『近々、何か動きがある』とは見込まれていた。まずは、持株会社を設立する決意を固めたようだ。名称が「西日本フィナンシャルグループ」になるかどうかは定かではないが、そこに関連会社をぶら下げて、九州の第二地銀を傘下に置く戦略かとみる。これについては、別機会に論証する。ただFFGは、マイペースで業績を伸展させている。
上納貢献度は、親和銀行より熊本銀行に軍配が上がる
FFGの収入の大半は、子会社3行からもたらされるものだ。まずは福岡銀行の2015年3月期において、預金・譲渡性預金9兆1,244億円となり、運用の結果、当期純利益363億200万円となった。前期比で減益になったのも、この当期純利益から親=FFGへ上納するのである。福岡銀行が、かなりのシェアを占めるであろう(詳しい分析は次回)。
ところが、おかしな状況が生じている。親和銀行の預金・譲渡性預金総額は2兆2,565億円。対して、熊本銀行のそれは1兆3,442億円なり。9,000億円からの開きがあり、親和銀行が多い。それなのに、当期純利益において親和銀行は35億5,300万円、熊本銀行は80億8,000万円である。熊本銀行は、倍以上の差をつけていることになる。
そうなると、親=FFGへの上納金は、熊本銀行が上回ることは間違いない。貢献度は当然、熊本銀行に軍配が上がる。親和銀行は、まだ水面下で不良債権の処理に追われていると類推される。すべての指数で熊本銀行が上位を示す
福岡銀行(PDF)・熊本銀行(PDF)・親和銀行(PDF)のB/Sを参照されながら、読んでいただきたい(平成27年3月期参考)。
まず順番に、資金量(預金量)は8兆8,317億9,600万円、1兆2,778億6,900万円、2兆1,467億1,700万円である(譲渡預金除く)。そして経常収益(他業種で言えば売上高)が1,614億500万円、194億7,000万円、265億6,300万円で、資金量:経常利益率は1.83%、1.52%、1.24%となる。さすが福銀は、高い利益率を誇っている。熊銀は親和に2.8ポイント凌駕していることになる。同じように、経常費用:資金量から分析を続ける。経常費用は1,024億1,500万円、189億2,800万円、273億1,600万円で、経常費用率は1.16%、1.48%、1.27%で、ここの領域だけでは資金量の多さの強みがあり、親和は熊銀を0.21ポイント上回っている。あとはすべてにわたって負けているのである。
経常利益:資金量の比較をしてみよう。経常利益額589億9,900万円、66億4,500万円、6,960万円になり、0.67%、0.52%、0.32%の指標になる。さすが福岡銀行は、利益を上げる強い体質を表している。ここで親和は、0.20ポイント負けているのだ。
当期純利益になると、ますます差が広がる。純利益額は363億200万円、80億800万円、35億5,300万円で、0.41%、0.63%、0.17%となる。0.46%の開きになるのである。純利益額で負ければ、FFGへの上納金額は熊本銀行が凌ぐ。組織内序列では、当然のごとく親和銀行が格下になるのだ。(つづく)
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