前評判通りのカインズ福岡新宮店～土屋社長も接客

　ホームセンター業界売上高第２位のカインズが３日、新宮町に新店舗をオープンし、店には開店前から数百人の客が列をなした。沖縄では金秀グループが５年前にFC出店しているが、九州では新宮店が初出店となる。
　カインズの知名度はまだまだこれからの九州・福岡で、オープン前から関心を持たれていたのはテレビ番組によるところが大きい。今年2月に全国放送の昼の番組でカインズが紹介され、それが福岡の個人のブロガーの間でも話題となったようだ。平日でもこれだけの盛況となっている背景には、今まであまりホームセンターを利用したことのない人たちが来店していることがある。

　今日のオープンを見てみると、若い女性層、特に子連れの主婦の姿が多く見受けられた。ただ主婦層のみならず、男性客も多く、全体的に幅広い年代がカインズに興味を持っていることがうかがい知れた。

　ペットはカートに乗せるか、抱くなどすれば、ペットの同伴で入店できる。店内には手ぶらでDIYを体験できる工房が設置されているほか、本格的なコーヒーが飲めるカフェも併設されている。小腹がすいたら店内のリンガーハットで長崎ちゃんぽんを食べることもできる。
グッドデザイン賞やモンドセレクションを受賞したオリジナルPB商品、テレビ局が取り上げたくなるほどの便利アイテムなどが揃えられており、これが「カインズらしさ」につながっているのだろう。買い物における制約の少なさや消費者目線の商品開発。買い物後にカフェで一息つけることも含め、従来のホームセンターにはないものが、ここにあると感じられた。

　３日のオープンには同社の土屋裕雅社長も売場に立ち、来店客にカゴを渡していた。この企業規模の社長が新店で売場に立つのは珍しい。九州一号店にかける想いの強さが分かる。
　近年、九州は大手小売業が勢力を強め、有名ブランドのテナントが増えたが個性的な売場が少なくなった印象を受ける。カインズはホームセンターではあるが、既存の小売業に飽きた消費者が、個性的なカインズへ掛ける期待も大きいものと思われる。オープンに並んだ客の数は、その期待の高さを裏付けている。

< わんちゃんも来店

< カインズ工房

【矢野　寛之】

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