【提言】福岡空港と北九州空港の連携以外に方策はない
-
-
「子どもだまし」のように、福岡空港の第2滑走路が稼働を始めた。この滑走路の問題点に関しては、すでに懸念を指摘する記事を掲載している。
祝・福岡空港増設滑走路供用開始~「これからどうする」福岡空港が抱える問題への対処~
福岡空港、第2滑走路が供用開始~過密空港の根本解消には課題も
福岡空港、第2滑走路の供用開始は新たな議論のスタート地点だしかし、1時間あたりの発着数がたったの2便しか増えないようでは、今後予想される大幅な増便要請にはまったく対応できない。結果として混雑はますます悪化し、羽田空港から福岡空港まで2時間を超えるのが当たり前になる可能性すらある。離発着待機時間が長引く恐れがあるからだ。
事故が起きてからでは遅い
現在の福岡空港は、「日本一アクセスが良い空港」ともいわれている。確かに天神から地下鉄で10分強という利便性は魅力的だが、もし過密な離発着において管制ミスや滑走路への誤侵入といったミスが発生し、事故が起きたらどうするのか。そのリスクを十分に考慮する必要がある。そうなると、海上空港(埋立空港)の建設という話になるが、順調に話が進んでも供用開始までに15年はかかると思われ、喫緊のリスクに対する解決策とは言えない。
佐賀空港が軍事空港へと変貌する近未来
西九州新幹線を佐賀空港経由にする案が検討されている。その動機が「福岡空港の混雑緩和」という大義名分であることには疑問が残る。佐賀空港で5分間、立って周囲を見渡せば誰もが気づくだろう。佐賀空港は軍事空港へとまっしぐらに変貌しつつある。今後、有事のリスクはますます現実味を帯びてくるのであって、佐賀空港が福岡空港の混雑解決のために存在していると考えるのは誤りだろう。
北九州空港との連携こそが最善策
北九州空港にはすでに3,000mの滑走路が整備されている。当面はアメリカ、ヨーロッパ、オーストラリアなどの富裕層向け長距離路線を北九州空港に設定し、さらに急増する便数には第二滑走路を建設して対応すべきだ。他の代替案に比べて比較的短期間で仕上げられるのではないか。重要なのは、JR小倉駅までのインフラを充実させることと、福岡市内へのバス・鉄道の経路を整備することだ。こうした枠組みを基に、今後10年間をメドに連携構想を練り上げるべきだ。
【青木義彦】
関連キーワード
関連記事
2025年4月2日 12:002025年3月28日 16:302025年3月23日 06:002025年4月1日 12:302025年3月31日 17:202025年3月19日 10:002025年3月26日 16:30
最近の人気記事
まちかど風景
- 優良企業を集めた求人サイト
-
Premium Search 求人を探す