城ガールが巡る日本の名城~天草の要害・富岡城(4・前)
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熊本の天草には、白く美しいお城がある。
富岡城は天草諸島の北西端・苓北町にあり、2007年に復元工事を終えたその姿には、どこか真新しさを感じる。今回は、空と海の「青」と、芝生の「緑」、城壁の「白」と、色彩豊かで美しい富岡城を紹介したい。富岡城とは
富岡城は、1602(慶長7)年頃に、肥前唐津藩の初代藩主・寺沢広高によって築かれた平山城だ。
1637(寛永14)年の「天草・島原の乱」において、幕府の要害であった富岡城は、一揆軍から猛攻を受けるも、落城することなかった。「天草・島原の乱」の後、1647(正保4)年に城主となった富岡藩主・山崎家治が、百間土手の整備を始めとする大規模な修築・拡張工事を行い、今の富岡城の形をつくる。
2007年に本丸櫓・二の丸などの復元工事が完了し、今の姿となった。富岡城への道のり
富岡城への道のりは一筋縄ではいかない。端的に言うと、遠い。福岡―天草間の飛行機を利用する手段もあるものの、今回はバスとフェリーを利用することにした。
行きの行程は、福岡市→長崎市→茂木港(長崎)→(フェリー)→富岡港(熊本)→富岡城、帰りの行程は、富岡城→熊本市→福岡市だ。乗り換え含め、行きは4時間半、帰りは6時間をかけて移動する。改めて書くと、恐ろしい移動時間だ。4時間半をかけ、富岡港に到着。フェリーを降り、西の方角に目を向ける。多くの漁船が泊まる静かな町を、富岡城が見下ろしていた。
小さな町と大きな石垣
お城を目指して歩いていると、壁のごとく横に大きく伸びる石垣が見えてきた。こちらは百間土手と呼ばれ、天草・島原の乱の後、城の守りを強固にするために造られたものだ。当時の土手の高さは8.1m、長さは170.1mもあったという。
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高くそびえ立つ土手の向こうには、富岡城・本丸櫓が見えた。少しずつ近づいてはいるが、まだまだ遠い。近いようでなかなかたどり着けないこの感じが、お城を攻める兵士のような気分になり、とても楽しい。
土手に沿って道を進んでいくと、新しい石垣の影に当時の石垣を発見。時の長さを感じさせる、絶妙な色合いがたまらない。石垣を見て、手で撫で、堪能する。富岡稲荷神社の階段を登り、社の裏手の道を抜けると、富岡城・二の丸に到着。周囲を見回しても、自分以外に人影はなく、「お城を独り占めだ!」と嬉しくなった。
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(つづく)
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