2024年12月04日( 水 )

「つくる」から「見せる」まで映像主軸に地域から世界へ発信(前)

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大洋グループ

結果に表れる継続した人材育成

 1946年4月に開業した大洋映画劇場(現・中洲大洋)。そのビデオ事業部として70年7月に創業されたのが、現在の大洋グループの始まりだ。大洋グループは(株)ティーアンドイー、大洋(株)、大洋シナジー(株)、(株)リズミカル、(有)幸洋開発、(有)岡部からなる総合映像事業を手がける企業体である。

 代表を務める岡部知寛氏は、2008年11月に大洋グループに入社し、09年5月にティーアンドイーの常務取締役を経て現職に就いた。同社の経営理念は「努力し感謝する」。その先には、「エンターテインメントで人を楽しませ、地域活力を生み出したい」との想いがある。企業が成長するには、社長と従業員とが同じ方向を向き、進んでいくことが必要だ。そのために理念を共有できる新世代を育成したいと新卒採用を継続している。さらに、年間10組ものインターン採用を実施。無報酬のアルバイト感覚でインターン受け入れを行う企業が少なくないなか、同社のインターン採用では岡部社長が必ず面接し、現場の緊張感や社会人の仕事を間近で見ることのできる機会を2週間に渡り提供している。

 年間で延べ25名にも上るインターン生の対応にはかなり時間を割かれるとみられるが、「若い人の考えや人材育成について改めて考えるチャンス。社会人とは何かを教える立場として、自身の背筋を整える良い機会でもあります」(岡部社長)と、インターン採用を行う理由について語る。また、若手や中堅社員にも経営やマネージメントについて学んでもらうため、次世代リーダー育成の研修に積極的に参加するなど、全社挙げて人材育成に取り組んでいる。

「あなたがいい」と言われる仕事を

sinfuro ティーアンドイーはCMなどの映像制作を手がける制作部とイベント企画を手がけるプロモーション部からなり、東京オリンピックの開催決定を受けて、14年10月に東京支社を開設。勢いを増す情報集積地の東京と躍進を続けるまち福岡とのシナジー効果を期待して、東京支社にはエース級の人材を投入し、事業拡大を図っている。

 制作部の実績では、11年6月に九州新幹線全線開通のTV―CM「祝!九州」で、「カンヌ国際広告祭(カンヌライオンズ)2011」金銀銅賞を受賞したほか、(株)質庫ぜに屋本店(長崎市)のTV―CMが、12年3月にアジア太平洋広告祭「ADFEST2012」フィルム部門で最高賞の「ベスト」を受賞。また、15年の「TOPPA CREATIVE AWARD2015」では、大分県内のさまざまな温泉でシンクロをするというWeb動画「おんせん県シンフロ」がグランプリに続く金賞を受賞した。

 同社が制作に関わった映像は、その他にも数多くの受賞歴を有するなど、業界内でも高い評価を受けている。この実績と提案が功を奏し、自治体のPR動画制作を受注。福岡県柳川市の観光をPRするWeb動画「さげもんガールズ」が2月から公開され、好評を博している。

 さらには、同社の小田桐氏が企画演出をした「躾 home discipline」が、「カンヌライオンズYoung Director Award 2015」でショートフィルムアジア太平洋部門準グランプリ、「ADFEST2015 FABULOUS FOUR」部門ではファイナリストを受賞。小田桐氏は若手で入社して間もなかったが、「意欲を買って任せてみた」(岡部社長)結果、入社後わずか数年での快挙となった。

 プロモーション部は、福岡市役所前西側ふれあい広場で毎年開かれる天神涼園地やこびとづかんイベント、アジアドラマカンファレンス、全国梅酒まつりin福岡などを手がけた実績がある。

 太宰府天満宮で開催された「全国梅酒まつりin福岡2016」は、全国から集められた150種類以上の梅酒を購入できる販売会場が設けられたほか、梅酒のプロによるパネルディスカッションなどのステージイベントも行われた。また、梅酒を飲み比べ(有料)できるテントも設置され、4日間で延べ7,500人以上が参加するなど大盛況となった。

(つづく)

<COMPANY INFORMATION>
代 表:岡部 知寛
所在地:福岡市中央区清川2-12-6
TEL:092-524-5165
URL:http://www.taiyogroup.co.jp

<プロフィール>
okabe岡部 知寛
1976年10月生まれ。福岡市出身。2003年4月電通九州入社。08年11月大洋グループに取締役室長として入社。11年12月大洋グループ代表に就いた。九州経済フォーラム常務理事、九州インターンシップ推進協議会理事などを務める。趣味は映画鑑賞。

 
(後)

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