『ありがとう』を大切に、人と人との関わりこそが仕事の原点(前)
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天国社グループ本社
ソフト面のさらなる進化を目指す
福岡市内および糸島市・春日市に会館5カ所(福岡会館、姪浜会館、伊都会館、油山会館、春日会館)にて、葬祭および関連事業を展開する天国社。同社は、地域密着型の地場葬祭業のトップクラスとして認知されている。宗派や形式などの『カタチ』にこだわることなく遺族の意向に沿い、葬儀の規模の大小を問わず独自性の高いサービスを生み出し、提供し続けている。
2001年に証券業界から転身し、14年6月に同社代表取締役社長に就任した中井健雄氏。中井代表が就任して着手したことは、葬儀・葬祭業のイメージを変えること──葬儀会社からの脱却であった。
「まずは、従来の葬儀に対する暗いイメージを変えることから始めました。15年6月に(株)アートライフホールディングスを設立し、その傘下に運送・レンタカー、不動産、コンサルティング、フラワー、カフェの事業を展開し、総合葬祭天国社も一事業として中核を成しております。葬儀会社から『葬儀も行っている会社』という位置づけにすることでした」と中井代表が語るように、以前の同社のイメージとは違った印象がある。
静寂なイメージであった同社だが、現在はアクティブな感がある。訪問時に挨拶を受けた時も、以前よりも増して明朗な印象を受けた。社内間でのコミュニケーションが円滑になっているからだろう。中井代表の自宅の近隣に、大手流通の商業施設が進出してきたという。以前からの商店街の店舗は、その勢力に押されて撤退を余儀なくされた。そのようななかでも、その土地で古くから鮮魚と青果販売を営む2店舗は、今もなお連日大賑わいで来客が途切れないという。
「どちらも、失礼ながら建物も古いお店が、なぜ毎日大賑わいなのか?大手の商業施設より値段は高いのです。それでも多くのお客さまが買い物をする──そこには『対話』があったのです。お互いのコミュニケーションで活気に溢れているのです。『対話』というソフトですね」と中井代表は、いかに人間同士のコミュニケーションが大切なのかを実感したという。同社には事前相談なるサービスがある。以前は積極的に取り組んでいなかった事前相談に対して、全社的に取り組んでいる。「ご相談に来られた方々のお話を聴かせていただくことを徹底しております。親の介護の問題、自分の生活の課題など、葬儀に関係ない話がほとんどです。しかし我々が、ご相談にお越しになる方々のお話を聴かせていただくことで、ご相談者の方々にはとても満足していただいております。『葬儀の話はしない。弊社の会員制度を勧誘、営業しない』ことを全社員に徹底して、お話を聴くという姿勢です」(中井代表)と事前相談を有効に活用している。その相談者の人々は、帰り際に同社の会員に入会するケースが多数ある。コミュニケーションというソフト面を、より進化させている一例である。
(つづく)
<COMPANY INFORMATION>
代 表:中井 健雄
所在地:福岡市西区姪浜駅南2-20-25
設 立:1987年6月
資本金:2,000万円
TEL:092-883-4949
URL:http://www.tengokusya.co.jp/<プロフィール>
中井 健雄
1974年7月14日生まれ。福岡市西区出身。イギリスパングボーンカレッジ卒。メリルリンチ証券を経て2001年に天国社に入社。14年6月に代表取締役社長に就任。趣味は旅行、食べ歩き。関連キーワード
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