業界の先駆者として環境改善を牽引(前)
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(株)松本組
実績と信頼を積み上げて100年
1916年5月に創業された(株)松本組は福岡地区においても有力な総合建設業として高い知名度を誇る。それは創業100年を迎える老舗企業として事業規模もさることながら揺るぎない信頼と実績を長年積み上げてきた企業と言える。
同社の受注先は官庁・地方自治体および公社公団などの公共関連をはじめ、地場を中心に幅広い取引を持つ。関連会社は舗装工事を手がける福岡道路(株)、管更更生工事の(株)SPR工業、不動産関連の(株)陽光商事を有している。
2015年6月期における同社の売上高は91億8,400万円。対前年度14億8,600万円の増収となった。現在の市場を反映して建設関係事業が約60%、土木関連事業が約40%の事業比率となっている。同社は一貫して建設業を手がけてきた。派手さはなく地味ながらも実直かつ、丁寧な仕事を行うことで、こつこつと実績と信頼を積み上げてきたのだ。ここに同社を象徴する逸話がある。バブル期において、好景気な民需に方向転回し、今まで手がけてきた公共事業に目を向けない会社もあったなか、同社は今まで通り公共工事に参加。官庁関係と連動する方針を保ってきたというのだ。派手な民需を追いかけ、一過性の利益を追求するのではなく、地味だが公共性の高いインフラ工事を行って地域社会へ貢献する。創業100年を迎える地場業界の先駆者として、方針を貫いてきた。まさに、社会の貢献に全力を注ぐ、同社の姿勢を表す事象である。
基本スタイルである「地域社会への貢献」を継承し、現在の同社の舵取りを行うのは1994年7月に代表取締役に就任した松本優三社長である。福岡県建設業協会の会長を歴任し、厳しい地場建設業界において環境の改善など地場の建設業界に対して尽力してきた。現場の改善など率先した取り組みは地場大手、そして老舗としての影響力は大きい。先駆者として貢献度が光る。
職場環境の改善に取り組む
同社の取り組みの1つとして、女性社員の登用がある。しかも、現場サイドで活躍する女性を応援するために職場環境の改善を積極的に行っている。「今、建設業界の人手不足の解消として女性の活躍の場を建設業に求めているというのは良いことだと思っています。今後、理系女子ならぬ土木系女子が増えることは大いに期待しています。実は弊社では、現場への女性進出計画を2000年頃から行っており、7名ほどの理系関係の女性社員を採用しました。女性が気持ち良く働ける環境を整えるために、現場の改善などを彼女たちに任せたこともあります。女性ならではの目線は大いに改善に役立ちました」と松本社長。
「工事現場がかなりきれいになった」との声もあり、同社が取り組んできた成果は挙がっていることが垣間見える。
また、女性社員の現場進出に加えて、産休や育休などの休みをとりやすいような環境整備も同社の大きな特徴だ。以前は、女性は結婚したら退社していく傾向が高かった。しかし、「女性社員が結婚して子どもを授かって家庭環境が変わったとしても、職場復帰できるような環境づくりを行っていくことがお互いのチャンスだと考えています」と語る松本社長。人手不足とされる建設業界に、同社の取り組みが今後良い方向へ影響することが期待される。(つづく)
<COMPANY INFORMATION>
代 表:松本 優三
所在地:福岡市東区馬出1-1-19
設 立:1966年5月
資本金:1億円
TEL:092-651-1031
URL:http://www.matsumotogumi.co.jp<プロフィール>
松本 優三
1957年、福岡市生まれ。明治大学商学部卒業後、81年に(株)松本組へ入社。90年に常務取締役、93年に代表取締役副社長を経て、94年に代表取締役社長に就任。法人名
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