暴走続ける手かざし団体「セントマザー」 行政指導無視して違法な建物使用
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患部に手をかざし、念じるだけで病気や痛みを和らげることのできる「ハンドパワー」を取得できるとして巨額のセミナー代を集め、脱税で摘発された「アースハート」。その後継団体「一般社団法人セントマザー」が、福岡市からの再三の指導を無視し、本部所在地で禁じられた違法な集会を繰り返し開いている。
セントマザーの設立は2014年。アースハートの事業を譲渡額3億円で引き継ぎ、セミナー会員の募集を行っている団体だ。セミナー代金は70万円から50万円台に引き下げられているが、“手かざし”で病気や痛みを和らげるとする内容は同じ。「騙された」としてセミナー代金の返金を訴える被害は、現在も出ている。
セントマザーが登記上の所在地としている市内東区の建物は、もともとアースハート傘下にあった別法人のもの。市街化調整区域にあるため、施設建設にあたっては都市計画法の適用を受ける。市が認めた使用目的は「老人ホーム」と「医療施設」。セントマザーは、商行為につながる集会などを開くことはできない。しかしセントマザーは、2015年1月と2月に同所で多数の会員を集めて「有志会」を開催。本年5月には、会員限定の「パーティー」を開催するなどし、その都度、福岡市から厳しい行政指導を受ける事態となっていた。
違法な建物使用をあきらめたかに見えたセントマザーだったが、今月3日に再び違法な集会を開こうとしていることが判明。確認を求めたデータマックスの取材に対しては、「集会の予定はない」「今後も開くことはない」と明言しながら、市側の調査には、集会を開催する予定であることを認めた上で『集会は中止する』と伝えていたことが分かっている。
この団体の特徴は、取材や役所の指導に対する嘘やごまかし。その後の取材で、3日当日に、100人ほどの会員を集めて会合を行っていたことが確認され、市側も騙された格好となっている。福岡市は、セントマザーの運営実態を含めて調べ、さらに厳しい指導を行っていくとしている。最悪の場合、同団体の建物使用を禁じるか、建物の使用許可そのものを見直す可能性もあると見られている。
【セントマザー取材班】
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