2024年11月26日( 火 )

4.24衆院補選勝利条件は「安倍政治を許さない共闘」

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 NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は、政権の暴走を阻止するねじれ国会への回帰とそのための共産党との連携の重要性を訴えた4月7日付の記事を紹介する。

 2012年12月に発足した第2次安倍政権。政権発足から3年3ヵ月が経過した。安倍政権与党は衆議院において議席総数の3分の2、参議院で過半数の議席を占有し、暴走を続けている。政権が長期化している最大の背景は、衆参両院がねじれの状況にないからである。衆参ねじれの下では政権の暴走は許されない。参議院における問責決議可決が政権の暴走を阻止する決定的な力を発揮する。

 マスメディアが「ねじれの解消」と叫んで、2013年7月参院選の結果、ねじれが解消したが、ここから安倍政権の暴走が加速した。私は、衆参ねじれ解消後の安倍政権の暴走を警告するために『アベノリスク』(講談社)を2013年7月の参院選に向けて上梓した。そして、警告通りの大暴走が現実化したのである。この意味で、「衆参ねじれ」は排除するべき事項ではなく、むしろ、歓迎すべき事象であると言ってもよいだろう。

 今年は、そのねじれを生みだす起点になる参議院選挙が実施される。参議院では、非改選議席の多数を現在の与党が占有しているから、与党をいっぺんに少数勢力に追い込むことは容易でない。しかし、どんなことがあっても、安倍政権与党を後退させることが必要だ。そのための環境は徐々に整いつつある。

 重要な環境変化を四つ提示しておこう。
第一は経済環境の決定的な変化
第二は安倍政権与党のスキャンダル噴出
第三はTPPへの警戒感の強まりである。
 そして第四は反自公陣営の共闘進展である。

 金融市場で実質的に安倍政権が始動したのは2012年11月14日である。野田佳彦氏と安倍晋三氏による党首討論で衆院解散が決まった。ここから、いわゆるアベノミクス相場が始動した。このアベノミクス相場が安倍政権浮上を支えた。

 アベノミクス相場は
円安=株高
 である。


 ドル円相場は1ドル=78円から2015年6月に1ドル=125円に変化した。日経平均株価は8,664円から2016年6月に20,868円に上昇した。この円安=株高が安倍政権を支えた。しかし、昨年6月を境に潮流が転換した。円安は円高に転換し、株高は株安に転換したのである。つまり、安倍政権の「上り坂」は、昨年6月を境に「下り坂」に転換したのである。

 この「下り坂」の先に「まさか」が控えている。

 衆参両院の多数議席を背景に暴走を加速する安倍政権与党。総選挙で安倍政権与党に投票した主権者は、全体の4分の1に過ぎないのに、安倍首相は、この国の独裁者であるかのように暴走を続けている。その傲慢さ、驕りのなかから、緩みが広がっている。昨年8月以来、
武藤貴也衆院議員(離党)
甘利明経済相(閣僚辞任・入院)
宮崎謙介衆院議員(議員辞職)
丸山和也参院議員(オバマ大統領=黒人=奴隷発言)
大西英男衆院議員(「巫女のくせに」、「巫女さんを誘って札幌の夜に」発言)
審議中に居眠り、携帯電話いじり、読書などに没頭した松島みどり衆院議員
 その他、自民党の地方議員などの暴言は枚挙に暇がない。

 主権者にとって何よりも切実な問題は経済問題だろう。安倍政権を取り巻く風向きは明らかに逆風に転じている。この風のなかで実施される参院選。最後の決め手になるのは、反自公陣営の連帯である。「安倍政治を許さない!」と考える主権者は、共産党と連携することを歓迎している。共産党との連携なくしていまの政治情勢を変えることは不可能である。だからこそ、安倍官邸は共産党を含む野党共闘を、何とかして壊そうとしている。敵が何をもっとも嫌っているのか、何をもっとも恐れているのかが分かれば、行動は取りやすい。安倍官邸は共産党を含む野党共闘を阻止するために、ありとあらゆる手を尽くしてくるだろう。だからこそ、何があっても共産党を含む共闘を実現することを考えるべきだ。これをやり抜けば、必ず結果がついてくる。

※続きは4月7日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第1403号「「下り坂」アベノミクス朽ち果て選挙は「まさか」」で。


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・植草一秀の『知られざる真実』

 

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