急がれる「子どもの貧困」対策、6人に1人が貧困層
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14日、国連児童基金(ユニセフ)は、欧州連合(EU)や経済協力機構(OECD)に加盟する41カ国における子どもの幸福度格差に関する「イノチェンティレポートカード13」を発表した。日本は所得格差で41カ国中、下から8番目の34位である。ちなみに、1位はノルウェーで、最下位はルーマニアだった。
日本語版の報告書では、首都大学 東京子ども・若者貧困研究センター長の阿部彩氏が、日本の子どもの貧困の深度について、貧困とされる子どもたちがどれほど深刻な状態にあるかを独自のデータを交えながら解説している。また、厚生労働省が2014年7月にまとめた「国民生活基礎調査」によると、日本人の相対的貧困率は16.1%で6人に1人が相対的な貧困層である。18歳未満の子どもの貧困率も16.3%と、過去最悪の数字となっている。福岡県独自のデータはないが、生活保護世帯の高校進学率や高校卒業後の就職率が全国平均より低く、生活保護世帯の高校中退率が高いことから、福岡県の子どもの貧困率は全国数値を上回っていると考えられている。そこで、深刻化する子どもの貧困について、福岡県福祉労働部保護援護課に話を聞いた。
「福岡県子どもの貧困対策推進計画」を策定
福岡県は16年度から20年度までの5年間を目標に、「福岡県子どもの貧困対策推進計画」を作成。計画では、基本目標をすべての子どもたちが生まれ育った環境に左右されず、本人の意欲と適正に応じて教育を受け就業につくことで、地域社会を支える一員として活躍できる福岡県を目指すとしている。そのための重点方針は、「乳幼児から早期かつ一貫性のある支援」「支援を要する緊急度の高い子どもに対する着実な支援」「地域の関係者が一体となって行う支援」の3点を定め、「教育支援」40事業、「生活支援」39事業、「保護者に対する就労支援」11事業、「経済的支援」11事業の合計101事業を実施する。
数値目標として、20年度までに13年度数値の「生活保護世帯の子どもの高校等進学率」87.1%を全国数値90.8%以上に、「生活保護世帯の子ども(高校等卒業後)の就職率」42.5%を全国数値46.1%以上に、「児童養護施設の子ども(高校等卒業後)の進学率」14.7%を全国数値22.6%以上に「生活保護世帯の子どもの高校等中退率」6.6%を全国数値5.3%以下にするなど、全国と乖離の大きい数値の改善を目指すとしている。
子どもの貧困問題は、「子どもが経済的に困窮している世帯に属していること」「貧困が世代を超えて連鎖すること」の問題がある。その根底には家庭の収入が少ないことが挙げられるが、子どもが貧困状態に陥る原因は種々あり、国・県・市町村をはじめとする関係機関や企業・団体等と連携を図りながら、自治協議会など地域を挙げた複合的な取り組みが必要である。
【吉武 輝実】
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