【癒着の福岡県政】筑後市議会が福岡県議会問題の全容解明を求める意見書提出へ~蔵内議長の地元・県南地域の声

 福岡県や県議会の高額海外視察などの経費が不透明な公金支出に当たるとの批判が高まっているが、蔵内勇夫福岡県議会議長の地元・筑後市議会が全容解明を県に求める意見書案を27日に行われる臨時議会に提案し、審議することが分かった。

 23日に行われた議会運営委員会で申し合わせが行われ、意見書案に議長を含め8人が連名しており可決されるとみられる。

蔵内勇夫福岡県議会議長
蔵内勇夫福岡県議会議長

    意見書案は、海外視察・研修費などの実態解明を求める第三者委員会の設置や、旅費支出基準の見直し、過去の不適正支出の返還などを求める内容。

 蔵内氏の地元・筑後市は1人区で、前回選(23年4月)の県議選で、蔵内氏の対抗馬として元筑後市副市長が立候補し、1,652票という僅差で蔵内氏が勝利した。自民党県連や農政連八女支部は蔵内氏を、西田正治筑後市長や公明党は元副市長を応援し市を二分した。地元では蔵内氏と微妙な関係にある古賀誠元自民党幹事長が水面下で動いたといわれた。

 投開票日には服部誠太郎知事も、蔵内氏の選挙事務所の控室に待機し、選挙結果を見守ったほど、熾烈な選挙戦であった。このとき、現市議会議長・弥吉治一郎氏は、蔵内氏を支持しており、出陣式で「私は日本社会党出身だが、蔵内さんを応援してきた」との趣旨の挨拶を述べたほど密接な関係にあり、今回の意見書案の提案に衝撃が広がっている。

 データ・マックスの取材に対し、ある筑後市議は「議長主導で意見書提案が決められた」と語り、「市議や町村議員は利権とはほとんど無関係。意見書案になかなか反対はしにくい。賛成するかどうか迷っている」との心境を述べた。蔵内氏の地元における評価が必ずしも悪いとばかりは言えないことがうかがわれるが、筑後市だけでなく近隣の八女市や柳川市でも同様の声が聞かれた。

蔵内氏への評価は功罪両面

 筑後市の隣・八女市の牛島孝之八女市議会議員は「蔵内さんは高校の先輩ですが、県の予算が北九州や筑豊だけでなく、県南地域にも行き渡るよう努力され、県南の発展に貢献されたことは間違いない」と評しつつ、「総理大臣よりも高額な海外出張や正副議長ポストを金銭でやり取りして決めるのは倫理的にも問題で、政治不信をもたらした。やりすぎだ。この機会に膿を出すべき」と語った。また「この問題は政争が背景にあり、来年の統一地方選への影響は大きい」と政治的背景についても指摘した。

 柳川市議会のある保守系議員は、同市でも蔵内氏の存在感は大きいと述べつつ「蔵内さんは実力者だが、政治家として謙虚な姿勢で取り組んでいただきたい」と語った。

 筑後や八女・柳川など県南地域の地方議員や行政にとって、地元出身の県議が実力者として知事や国会議員にも物が言える関係にあることで、インフラ整備などの予算獲得に強い優位性を発揮したことを肯定してきたことは間違いない。問題が大きくなる以前、県南の自治体関係者は「蔵内先生が引退されたら今後が心配」との声があった。一方で、身近なだけに表立って言えなかっただろうが、弊害も認識していたと思われる。

 牛島氏や柳川市議は保守系議員だが、「自民だけでなく労働組合も一体となった癒着が根源」との声もある。現職時代、労組活動に取り組んだ元福岡県職員は「蔵内氏と県職労出身の元県議重鎮が談合して県政を握ってきたことによる弊害」と指摘し、「民主系も含めて実態解明を行わなければならない」と訴えた。

 データ・マックスでは、在京メディアや記者クラブ加盟社が報じていない地元関係者などの声や議会の内幕を報じていく。

【近藤将勝】

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