妻が無罪主張「夫がキレてやった」~筑後リサイクル店殺人初公判
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福岡県筑後市のリサイクル店を経営していた夫妻が殺人罪、傷害致死罪、窃盗罪などで起訴された事件で、妻の中尾知佐(ちさ)被告人(47)に対する初公判(裁判員裁判)が5月16日、福岡地裁(平塚浩司裁判長)で開かれ、知佐被告人は殺人と傷害致死について起訴内容を否認し、無罪を主張した。夫の中尾伸也被告人(45)は別々に審理され、初公判は6月27日に開かれる予定。
検察側によると、2014年に窃盗罪で逮捕された伸也被告人が、知佐被告人とともに元従業員ら4人を虐待死させ、遺体を遺棄した状況を自白したことで、事件が発覚した。死んだ4人のうち、04年6月下旬に死亡した元従業員の日高崇氏(当時22歳)の殺人、06年10月に亡くなった義弟の冷水一也氏(当時33~34歳)とその息子の大斗君(当時4歳)の傷害致死で起訴された。日高氏より前の04年5月末~6月中旬に亡くなった元従業員(当時19歳)については、傷害致死の時効が成立しているため起訴されていない。
検察側は冒頭陳述で、両被告人が共謀のうえ、元従業員(当時19歳)の死亡後、死ぬ危険性が高いことを知りながら、日高氏らに暴力を加え、生きるのに必要十分な食事を与えず、ケガや衰弱したのに適切な治療を受けさせず、部屋に閉じ込めるなど支配下に置いて殺害したとし、一也氏と大斗君を傷害致死させたと述べた。また、遺体を伸也被告人の実家に埋め、その後、掘り起こして、骨を粉砕機で砕いて川に流したとされる。大斗君の遺体は発見されていない。
弁護側は「夫である伸也がキレておこしてしまった事件」と主張し、日高氏の殺害については「殺害する理由はなく、殺すつもりもなければ、殺すことを伸也と話し合ったことも指示したこともない」と主張した。一方、窃盗については起訴内容を認めた。
知佐被告人の公判は6月9日結審、6月24日判決言い渡しの予定。
【山本 弘之】
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