2024年12月19日( 木 )

下関ゴルフ倶楽部~波乱の定時総会を再現(8)

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 2時間半にわたる総会を、5回に分けて掲載してきたが、いよいよ最終章に差し掛かる。
◆「住会員宛の委任状を無効とすることについて」(P13の終り)に対する、「愛する会」側と、経営側との質疑応答がはじまった。

今村    何故無効ですか
沖田    倶楽部に届いていない、それで異議があれば「訴訟」を起こして貰いたい
今村    議長もそういう見解でいいのですね
福田理事長 我々は無効票としたけども、その数を開示することで誠意を示す
今村    無効か、有効かということは、完全に別個の問題です
福田理事長 別の問題ですが、無効という判断です

 と、ちぐはぐな応答が続く。読者の皆さんは、この後に続く経営側の一連の発言を含め、どのような印象をお持ちになられたのだろうか。沖田顧問弁護士が、「文句があるなら訴訟を起こせ」と、定時総会の場で述べたことは、会員と経営側との対立が如何に根深いかを物語っているといえるのではないだろうか。
 いよいよ社員提案である第3号議案と第4号議案の決議となった。

◆第3号議案「平成28年度より年会費を8万円とする」は、「賛成224口で過半数に達せず否決です、住さんの分は含めていない。参考までに、これに2口と35口を加えたら259口となる。」と前田支配人が発表。
 確かに否決はされたが、約1000人の会員のうち、1/4にあたる25%の会員が、12万円の年会費に反対している事実をどう見るかだろう。経営側は、多数決で可決されたから、会員の理解を得たと思っているのであれば、今後ますます会員離れが進むことになろう。

◆かつて日本のゴルフ人口は2000万人を超えていたが、今は700万人前後に激減しているといわれる。たとえ名門といえども、会員と力を合わせないと生き残れない時代を迎えているのだ。
 先日、山口県内にあるゴルフ場支配人に電話インタビューすると、「下関ゴルフ倶楽部さんは、一般社団法人で格式が高いから、年会費12万円を取れるのです。しかし私どものように株式会社のゴルフ場は、3万~5万円でないと会員が納得しません。だからこそ一生懸命営業活動をしているのです。」と、その苦しい胸の内を語ってくれた。

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(つづく)
【データ・マックス 特別取材班】

文中に登場する主要な人物は下記の通りです。
◆「下関ゴルフ倶楽部」側の発言者
福田=福田浩一理事長(山口FG社長兼山口銀行頭取)
前田=前田昌宏支配人(山口銀行より出向中)
沖田=沖田哲義顧問弁護士兼幹事(沖田法律事務所所長)
◆「下関ゴルフ倶楽部を愛する会」側の発言者
住=住興信世話人
藤井=藤井章郎氏((株)栄伸社長)・会の有力支援者
今村=今村俊一弁護士(会の代理人弁護士)
板渕=板渕力弁護士(会の代理人弁護士)
大井・岡本=愛する会支援会員
遠山=遠山辰雄氏((株)遠山社長) 一般出席会員

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