2024年12月23日( 月 )

異例の緊急総会 議題の決議ならず「時間必要」組合員訴え~柳橋連合市場

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高口ビル<

高口ビル

 柳橋連合市場内でのマンション建設をめぐり、開発業者である(株)ジョイフルコーポレーションとの話し合いが行われているのは既報の通り。4月中旬の第1回目説明会では、建て替え案が浮上している「高口ビル」入居者全体を対象に、以降ジョイフル社と入居者の間で個別の説明が行われている。しかし、不信感はぬぐえぬまま、個別の説明を受けても、事態は進んでいないようだ。

 不信感のひとつは物件の所有者に関するもの。「弊社(ジョイフル社)は現所有者と長期間にわたる交渉を経て、この4月1日に売買をいたしました」と書かれているが、不動産登記にはジョイフル社に所有権が移った形跡は確認できていない。当然、入居者らは「所有権も移っていないのに、退去を求められても・・・」と困惑する。一部関係者からは、「手付金は払ったが、内金が払えていないようだ」との声もあり、「売買契約自体成立するのか」との不信感も伝わってきた。

 これに対しジョイフル社は、現・物件所有者から「賃貸借代理および管理委託」を依頼されたという旨の契約書を提示し、開発の権利を主張。しかし、これまで長年、同地で営業している事業者にとって「退去」は大きな問題であり、即答できるものではない。さらに個別の話し合いで、退去に合意しない業者に対し、弁護士を通じて「調停申立書」を送付するなど、法的手段に出ている。時間をかけて話し合いを持つべきだが、このようにジョイフル社が開発を急ぐのはなぜなのか、関係者内でもさまざまな憶測が飛び交っている。

臨時総会の案内 臨時総会の案内

 5月20日の午後に開催された、同協同組合の臨時総会での議題は主に3つ。(1)市場内の共有休憩所の廃止について、(2)同協同組合の事務所移転について、(3)修繕費など積立について、であった。現在浮上している高口ビル建て替えに関わるもので、事務所移転については、すでに一部の理事が理事会の総意を得ずに進めようとして紛糾した経緯がある。そのため、臨時総会で組合員の意向を確認するものと思われた。

 臨時総会後、関係者を取材した。臨時総会の開催を決定し、事務所移転への決議を図ろうとした理事長の意向とは裏腹に、事態は進んだようだ。決議を採る前段階から組合員との間で、ジョイフル社への不信感が表面化。「納得できないなら、近くに待機しているジョイフル社をここに呼ぶ」という理事長の発言もあったが、その入場も組合員から拒否される展開となった。「マンション一棟の建設といっても、通路封鎖など市場内全体の店舗運営に影響する」「急ぐ必要はない。組合員全体の利益のために、将来の話をしようとしているとは思えない」などの意見が組合員から聞かれた。
 今後は、当該物件の入居者だけでなく、組合員全員で弁護士など第3者を入れて時間をかけて話し合っていく方針となったようだが、ジョイフル社の急ぐ様からも、これで落ち着くようには思えない。

【東城 洋平】

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