崩壊した熊本大神宮に心無い落書き~熊本地震被災者が怒りの声
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熊本地震で崩壊した熊本大神宮の建物に心無い落書きが見つかった。八代市役所の倒壊した庁舎でも同様の落書きが見つかっており、被災者から怒りの声が上がっている。
同大神宮は熊本城の東にあり、4月16日の本震で倒壊した城の櫓(やぐら)や石垣に社殿が押しつぶされた。落書きが見つかったのは屋根を支える柱で、「売国メディアはHAARPを報道しろ 清正より」と書かれていた。同大神宮によると落書きは5月18日に確認されたという。本震発生以後、同大神宮は立ち入り禁止になっているが、通りに面した鳥居にロープを張り、駐車場に柵を立てている程度なので侵入は容易。大神宮は前の通りをバスが走るなど人目に付きやすい場所にあるため、何者かが深夜に落書きしたものとみられる。
八代市役所の落書きにも「HAARP」と書かれているが、これは米国の高周波活性オーロラ調査プログラムの略称HAARPを指しているのではないかとみられている。HAARP自体は地球の電離層と地球近傍で発生する自然現象を観測することが目的であるが、以前から一部の陰謀論者が地震兵器と騒いでいた。米国には東日本大震災がHAARPによって引き起こされたと主張する人もいる。HAARPは高周波を電離層に向けて照射する。これが人工的に巨大地震を発生させているとしているが、巨大地震による地殻変動が電離層に影響を与える現象と混同しているようだ。人工的な電磁波を電離層に照射しても地震は発生しない。
八代市役所には「キャハーHAARPで全壊も少しだったネーでも落書き報道は出来ましぇん だってポチモン放送局だし~ 666」と支離滅裂だが、明らかに地震の発生を喜んでいる節が見られ、悪質性が高い。熊本大神宮の落書きは「売国メディアはHAARPを報道しろ」と言いながら、実は報道できないのではないかとメディアを揶揄しているようにも読める。しかしHAARPによる人工地震はいわゆる「トンデモ」説であり、まともなメディアであれば絶対に取り上げることはない。
熊本地震の被災者に話を聞くと、一様に「熊本城の倒壊が一番ショックだった。早く元の姿に戻ってほしい」と声をそろえる。熊本大神宮は熊本城本丸石垣のすぐ下にあり、城と一緒に潰れてしまった。その光景は無残の一言であり、そこに落書きするのは被災者を侮辱する行為そのものだ。熊本大神宮は「落書きを消すことはできない。再建は困難であり、このまま解体されることになるだろう」と話す。それまでの間、この愚かな落書きが多くの目にさらされる。落書きをした人は速やかに名乗り出て、被災者に対し謝罪してほしい。
【平古場 豪】
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