2024年12月24日( 火 )

九州地銀(18行)の決算を検証する(2)

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北九州銀行・宮崎太陽銀行の頭取交代を検証する

1.北九州銀行

◆昨年6月の人事異動で、山口銀行専務取締役だった藤田光博氏が、次期頭取含みで北九州銀
行専務に就任しており、頭取交代は順当な人事と見られている。
 ただし、ある関係者は、「山口FGの福田社長は確かに頭取就任から12年。山口FG社長就任から10年の節目ではあるものの、63歳で、今、一番脂がのっているこの時期になぜ社長を交代したのだろうか」と疑問を口にした。
 深くため息をした後、言葉を続けている。
 「いろいろ探ってみると、今も影で山口FGを取り仕切っている田中耕三山口銀行相談役(今月13日に90歳の卒寿を迎えた)の指図よるものだとの、キナ臭い話が伝わってきた。
 交代の原因は、どうも『ゴルフ半額プレー』だと言うのだ。福田氏は田中耕三氏の後を受けて下関ゴルフ倶楽部の理事長に就任。その後、福田理事長など幹部が、ゴルフ半額プレーをしていたことが表面化。会員の一部から、『赤字経営にもかかわらず、福田理事長、田中前理事長、新旧キャプテンの4人が、半額プレーをしているのは何ごとか。その分を返せ』と訴えられる事態になり、裁判は今も継続されている。

golf2 そこで田中相談役は、『自分が裁判で訴えられることになったのは、福田理事長の処理の仕方が悪いからだ。その責任を取って社長を辞任せよと迫った。』と言うのだ。

 そしてさらに、福田氏は2004年5月21日開催された山口銀行の臨時決算役員会議で、頭取の指名を受けた。加藤取締役審査部長と野坂取締役福岡支店長(いずれも当時の肩書)の協力により、史上最年少の頭取に就任することができた。いわゆる『山口銀行頭取交代劇(クーデター) 』から12年の月日が流れている。福田氏としては、北九州銀行頭取やもみじ銀行頭取として厚遇してきた。もうそろそろ引退して相談役か顧問になってもらいたいと説得していたというのだ。

 しかし、その目論見は見事に外れた。下関ゴルフ倶楽部の問題で田中相談役の逆鱗に触れ、代表権のない会長とはいえ、福田氏はそのポストを加藤氏と野坂氏に譲り、自らは非常勤取締役に退かざるを得なかったと言うのが真相のようだ」と語った。

 真偽のほどは定かではないが、過去の例から山口銀行・山口FGのトップ交代は、すんなりとはいかないジンクスがあるようだ。

2.宮崎太陽銀行

◆宮崎太陽銀行の頭取交代は、「公的資金の償還に一定のめどが立ったことなど」を退任の理由に挙げている。代表権のある会長に就任する予定の川崎新一氏は、行内は林田洋二新頭取に任せ、自らは今後加速する九州地銀の金融再編の動きの中で、宮崎太陽銀行の行く末を決める重要な役割を果たすことになりそうだ。

(つづく)
【北山 譲】

 
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