杭打ちデータ偽装 福岡市公表の施工件数に重大な疑義(1)
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建設業界を震撼させた、旭化成建材による杭打ちデータ流用問題をめぐり、福岡市が公表した同社の市発注工事施工件数が、実態と違う数字だったことが明らかとなった。市の公表では、過去10年間でわずかに1件。しかし、データ・マックスの調査では、市の公表分とは別に3年間で少なくとも3件の施工実績が確認されており、実際の件数はさらに増える可能性がある。
公共事業の信頼性が問われる事態。データ・マックスの取材に対し、市側はあいまいな態度に終始しており、改めて詳細な調査を求める声が上がりそうだ。杭打ちデータ偽装が発覚したのが2015年10月。三井不動産レジデンシャル(株)が販売した横浜市の大型マンション(2007年竣工)が傾いたことで社会問題となり、工事に関わった施工業者3社(三井住友建設、日立ハイテクノロジーズ、旭化成建材)が建設業法違反で営業停止や業務改善命令などの行政処分を受ける事態となった。
その後、データ偽装問題は他の杭打ち業者にも波及。関係各社が厳しい批判を浴びたことも記憶に新しい。膿を出し切ったかに見えた一連の騒動であったが、ここにきて旭化成建材が福岡市に報告した施工件数が、虚偽だった疑いが浮上している。
福岡市役所建設指導課によると、過去10年間、福岡市内で旭化成建材が施工に関わった件数(元請、下請含め)は民間工事が19件で、公共工事が1件。しかし、データ・マックスの調査では、別件取材のため調べた市発注工事数十件の杭打ち施工だけでも、旭化成建材が関与した件数が3件確認されている。国交省の指示を受け市側に施工実績を伝えた同社が、過小報告した疑いがある。
施工件数の違いについて確認を求めているが、市側は明確な態度を示していない。同所建設指導課では、問題発覚後、旭化成建材の施工件数について施工体系図をチェックするなどの独自調査はしておらず、旭化成建材が国交省に報告した数値を発表している。偽装を行った旭化成建材の報告を鵜呑みにして、調査を怠った格好だ。
(つづく)
【東城 洋平】▼関連リンク
・「ゼネコンは全部知っている」~専門家が語る旭化成建材のデータ偽装(前)
・「ゼネコンは全部知っている」~専門家が語る旭化成建材のデータ偽装(後)関連記事
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