2024年11月27日( 水 )

知佐被告人判決に福岡地検控訴~「未必的殺意は認められる」

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night 福岡県筑後市のリサイクル店従業員ら3人が死亡した事件で、殺人罪などで起訴された中尾知佐被告人に傷害致死罪などで懲役30年の刑(求刑無期懲役)を言い渡した福岡地裁の判決に対し、福岡地検は6月27日、判決を不服として控訴し、同日発表した。
 6月24日の判決では、「殺意があったと認定するのは困難」として、殺人罪の成立を否定し、3人の傷害致死で有罪として、法律で許された上限となる懲役30年の刑を命じていた。

 知佐被告人は、夫の伸也被告人とともに、元従業員の日高崇氏(当時22歳)の殺人、元従業員で義弟の冷水一也氏(当時33~34歳)とその長男大斗君(当時4歳)の傷害致死で起訴され、知佐被告人は、殺人・傷害致死いずれも無罪を主張していた。(伸也被告人の初公判は6月27日開かれ、伸也被告人は罪状認否で、一也氏の傷害致死の罪を認め、殺人罪と大斗君傷害致死罪について成立しないと主張した)

 控訴した福岡地検はその理由について「殺人につき、少なくとも未必的殺意が優に認められるのに、これを認定せず、傷害致死とした原判決は、到底承服できない」とコメント。判決直後のコメントでも、「衝撃的」と述べており、予想外の判決内容だったと見られる。地検は「公判の証言で、知佐被告人は、元従業員が死んだあと、同じことをやれば(日高氏も)死ぬと分かっていたと認めているのに、(判決が)未必的殺意を認めないのはおかしい。優に認められる」としている。

 判決は、知佐被告人と伸也被告人に「日高氏を死亡させたいという意欲があったとは認めがたい」などとして、殺意を否定し、殺人罪が成立しないとした。一方、「元従業員の死後も「日高氏に対する暴行が繰り返された結果、日高氏が傷害を負い、同障害によって死亡に至ったことは優に認定できる」とし、知佐被告人と伸也被告人との間で暴力を振るうことの包括的共謀を認定し、傷害致死罪が成立するとした。

 弁護側は、「(殺意がなかったという)主張が認められた。誰が考えても証拠隠滅、口封じのために(日高氏を殺害した)というのは難しかった。それをなぜ口封じのために殺害したというスジで事件立てしたのか、捜査側に猛省を促したい」と指摘。「(判決には)本人の言い分を聞き入れられなかった点が多々あるので、控訴するかどうか今後検討したい」と述べている。

【山本 弘之】

 

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