福岡市が旧青果市場跡地活用でまちづくり構想委員会設置へ
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福岡市は旧青果市場(博多区那珂6丁目)に関し、跡地活用の指針となる「まちづくり構想」を策定する委員会を今年8月に設置することを明らかにした。敷地規模や立地特性、交通環境などを勘案しながら検討を進め、来年度には利用方針を決定したいとしている。
旧青果市場は1968年9月に開設。2010年に跡地処分の方向性として、青果、東部、西部の3市場を分割して処分、新市場用地の財源として売却が基本、公共公益施設を優先する方針が決められた。昨年には3つの小学校区自治協議会と五十川農事組合の代表者が青果市場跡地まちづくり協議会を設立。アンケート調査やワークショップを通じて地元の意見を取りまとめ、市に提案することとしている。青果市場は今年2月に移転し、跡地は現在、市が所管する青果物の中継所と下水道用地が置かれているほか、国の熊本地震被災者に対する支援物資の保管場所としても使われている。
福岡市によると、跡地の敷地面積は青果市場、駐車場、青果物流センターを合わせた約8.8ヘクタール。残っている建物は今年秋ごろから解体を予定している。福岡空港国際ターミナルまで約2キロ、JR竹下駅まで約800メートルの位置にあり、幹線道路の筑紫通りに接続している。近隣は便利な住宅地としてのニーズが高く、人口も増えているという。市が14年に改定した都市計画マスタープランでは、新たな機能の導入を長期的な視野で検討するゾーンに位置付けている。
まちづくり構想委員会は地域の代表や学識経験者でつくり、意見交換などを通じて検討を進め、17年度中の構想策定を目指す。跡地の公募、売却は18年度になるとみられる。検討に当たっては空港や駅に近い立地を生かしながら、交通量が多い周辺道路への影響も配慮。さらには跡地開発にともなう人口増により校区となる那珂小学校の児童数が増えることが予想されるため、教育委員会とも連携しながら検討を進めることにしている。
跡地は市農林水産局が所有しているが、まちづくり構想に関する業務は今年度から市住宅都市局に移管され、専門的に進めることとした。福岡市内の跡地としては九州大学六本松キャンパス跡地(6.5ヘクタール)を上回り、これだけの大規模な土地の利用について担当者は「市としても初めてではないか」と話す。「住宅地としての人気が高い土地だが、周辺には狭い道路もあり、交通事情も勘案しながら検討を進めていきたい」としている。
【平古場 豪】
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