森山農水相らを東京地検に告発 政治資金規正法違反容疑
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参院選挙が終わって年内解散もささやかれるなか、安保法に賛成した衆院議員への「落選運動」がじわりじわりと広がっている。衆参両院で事実上3分の2を手に入れた改憲勢力は政治とカネをめぐる追及から逃げられるのか!
政治資金オンブズマン代表の大学教授らが政治資金をめぐって刑事告発した衆参両院議員は参院選挙期間中の7月5日、19人目となった。同代表らは、森山裕農林水産相らがTPP(環太平洋連携協定)会合前に一般社団法人日本養鶏協会の元会長(当時会長)から現金を受け取っていた問題で、政治資金規正法違反(寄付の受領禁止など)の容疑で刑事告発する告発状を東京地検に送ったのだ。
告発されたのは、森山農水相、西川公也元農水相(当時農水相)、宮腰光寛衆院議員、江藤拓衆院議員の4氏と同協会の元会長。森山農水相は、鹿児島5区選出の衆院議員で、当時、自民党TPP対策委員長。江藤氏は、宮崎2区選出の衆院議員。
告発状は、4氏が昨年の環太平洋経済連携協定(TPP)交渉に絡んで、2015年7月頃か9月28日頃、元会長から「お世話になります」などと言われ、TPP交渉についての「政治活動」に関して、それぞれ現金20万円を受け取ったと指摘している。4氏は、公職の候補者が政治活動に関して寄付を受けてはならないとした政治資金規正法に違反したとしている。
4氏がそれぞれ返金したとしていることについて、「各自の政党支部または政治団体の2015年分政治資金収支報告書に記載してなかった違法な裏金だったからだろうと思われる」として、返金しても同法違反の犯罪の成立の有無に関係ないと指摘している。告発した上脇博之神戸学院大教授(政治資金オンブズマン共同代表)は、「西山氏は、当時の農水相であり、外国との鶏卵問題に関する交渉職務権限を有しており、収賄罪の可能性がある。その他の3人の国会議員の職務権限が問題になるが、鶏卵業界救済のための補助金の交付を拡大する要請の趣旨を含んでいる可能性が高く、贈収賄事件へ発展する可能性がある」と指摘する。
森山農水相は6月28日の記者会見で、TPPアトランタ会合に出発する前日の15年9月28日、議員会館の事務所で、元会長から「明日からよろしくお願いします」と言われ現金20万円を渡されたが、秘書に返却を指示していたと述べ、2月20日に返金したという。「餞別みたいな話をされたが、餞別をいただく性格のものではないので、辞退を申し上げた」と述べ、返金が2月になった理由について、「アトランタ交渉から帰ってすぐ入閣ということで、秘書が失念していた」と説明していた。
江藤氏の事務所は、NETIB-NEWSの取材に対し、以前から支援を頂いている企業の社長と15年9月27日に宮崎空港で面会した際、元会長からの献金とは伝えられずに、「社長サイドからという理解で20万円の献金を受領し、事務所に入金して、後日、社長あての個人献金の領収書を郵送した」と回答。政治資金収支報告書に記載するにあたり、社長に個人献金で良いか確認したところ、社長個人からではなく元会長からの献金とのことであり「面識もなく、当時の養鶏協会会長からの献金であれば不適切と事務所で判断し、日本養鶏協会に連絡して返金をした」としている。
【山本 弘之】
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