2024年11月26日( 火 )

自社施設で高齢者受け入れ、安全で安心な生活の場を提供

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(株)ウチヤマホールディングス

15日から受け入れ開始

sien-min 「(4月)15日午後1時にリリースの第一報を入れました。被災された介護が必要な高齢者の方々を私たちの施設に受け入れ、安全を確保し安心して暮らすお手伝いをしようというものです」。
 北九州市小倉北区に本社を構える(株)ウチヤマホールディングス(以下、ウチヤマHD)の肥後邦彦課長は震災直後の様子を振り返る。同社は全国で介護付き有料老人ホームなど高齢者に向けたサービスを展開する企業だ。震災発生から夜が明け、すぐに対応を協議、支援体制を発表した。
 入居費施設費など無料で震災に遭った要支援1~要介護5までの高齢者の方を自社が運営する施設に引き取る、というものだ。発表時、200室を用意した。
 福岡のエリアマネージャーが被災地に赴き、被害に遭った方の受け入れを行った。福岡の施設からは車いすでも乗れる特殊な自動車で迎えに行き、施設に高齢者を連れ戻った。その際、被災地に支援物資を持って行く。恒例の被災者やその家族から連絡があると、すぐに準備して出発、何往復もしたという。
 「現地の避難所でボランティア活動をしているNPOと連絡を取り合い、必要な物資を持っていきました。トータルで、米600kg、水は1万700L以上持っていきました。ほかにも衣類の提供も行いました」。

命を救ってもらった、ありがとう

 肥後課長から1つの話をうかがった。病気のため身動きがとりにくい妻と彼女を介助する夫がいた。夫は体が不自由な妻が避難所で迷惑をかけるのではないかと考え、壊れかけた自宅で妻の面倒を見る決意をした。自宅での避難・介助生活は困難を極めた。炊き出しや給水に夫が並ぶのだが、長い時間かけて待っていても、自分の番の前に終わってしまう。水も少量しか手に入れることができない。そんな状態が続いていたという。
 ウチヤマHDのホームページを見た老夫婦の娘が同社に電話で支援を要請、肥後課長が現場に到着すると驚いたという。家屋は倒れかけており、食べ物もなく、水だけでしのいでいたのだ。肥後課長は「あと少しでも時間がかかっていたら生命の危機的な状況に陥っていたかも知れないですね」と振り返る。そして「命を救ってもらった、ありがとうと本当に感謝されました。自分が迷惑をかけるのではないかと消極的になっている高齢者も多くいらっしゃいます。そして、自らの生命が危機的な状態に至っても、何もできない方がいらっしゃると痛感しました」。

 現在、ウチヤマHDでは32人の高齢者を受け入れている。引き受けた高齢者の中には「余震が怖い」とちょっとした音でも敏感に反応するなど重いストレスを負った状態の方も多かったという。同社では心のケアや、巡回の回数を増やし、不安な様子が見つかったら声をかけるなど、あたたかく対応することに努めている。生嶋伸一専務は「弊社代表の内山文治が常々、社会貢献していこうと言っています。今回、そのことが全社で共有されていると感じました。嫌な顔をする社員は1人もいなかったことを誇らしく思います」と語った。

 同社は1日も早い被災地の復興を願いつつ、今日も支援を続けている。

<COMPANY INFORMATION>
(株)ウチヤマホールディングス
代 表:内山 文治
所在地:北九州市小倉北区熊本2-10-10内山第20ビル1F
TEL:093-551-0002
URL:http://www.uchiyama-gr.jp/

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