減税を否定する労働貴族・連合の参院選総括

 連合(日本労働組合総連合会)がまとめた参院選の総括文書の原案において、支援している立憲民主党・国民民主党が掲げた消費減税に対する批判を鮮明にしていることが分かった。

 自民・公明の過半数割れについて、立憲・国民両党を支援した連合の組織力によるものだとし、「大きな成果だ」と強調。連合の仲介により32の1人区で候補者の一本化を進めたことを評価し、「1人区では、連合・立憲民主党・国民民主党が力を合わせれば結果が出せることを証明された」と自画自賛したという。

 立憲については「全国的に党勢に欠け、接戦区での新人の競り負けや比例票数が新興政党の後塵を拝したことなどは、立憲民主党が与党に対峙するもう1つの選択肢となり得なかったことを意味している」と厳しく指摘した。

 一方で、「立憲民主党と国民民主党が与野党に分かれることだけは到底、容認できない」と国民の連立入りを牽制。減税や財政出動をともなう公約に関しても「将来世代にさらなる借金を負わせることは到底民主的であるとはいえない」と財務省や自民党の主張と変わらぬ立場を示した。

 連合に加盟する労働組合は主に大企業やその関連企業、国や地方自治体の組織が中心で、中小企業は少ない。長く続く不況や昨今の物価高などの影響を受ける多くの国民の思いよりも、体制の一部として権力の維持に努めることを優先しているのだろうか。10月に公表されるというこのような選挙総括を正式発表した場合、いよいよ多くの有権者は連合やその支持を受ける立憲・国民両党を見放すことになるだろう。

【近藤将勝】

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