金融再編待ったなし~九州の信用金庫(2)
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そこで筆者は7月14日午後2時過ぎ、高鍋信用金庫の総務部に「九州の信用金庫は28ありますが、他の27信用金庫はすべて平成27年3月31日現在の計数を記載しています。しかし高鍋信用金庫さんだけ平成26年のままになっていますが、どうしてなのでしょうか。」と問い合わせると、担当者は「古いままで更新していませんでした。ご指摘ありがとうございました」と丁寧な言葉の中に、「掲載ミスを一刻も早く修正しなくては」との隠蔽体質が垣間見えたのだ。
案の定、電話照会してから約3時間後の午後5時半過ぎに高鍋信用金庫のホームページを開いてみると、「金庫概要」には掲載ミスに対する説明の文言はなく、「平成28年3月31現在」と最新情報に書き換えられていた。聞き取りした(平成27年3月31現在)の「金庫概要」は、一度も高鍋信用金庫のホームページに記載されることはなく、幻に終わったのだ。
「金庫概要」(2)
<問われる経営陣の危機管理能力>
同金庫には、池部文仁理事長を含め常勤理事8名、非常勤理事・監事5名。計13名の経営陣がいる。昨年7月にホームページは改定されているが、筆者が指摘する7月14日までのほぼ一年の間、理事長を含む常勤理事8名の誰一人として、高鍋信金のホームページを見ていなかったことになる。
もし万一見ていたというのであれば、それこそ大きな問題なのだ。一年前の古い計数を訂正指示することなく漫然と見過ごしていたことになり、それこそ職務怠慢との誹りを受けるからだ。 また非常勤の理事(2人)・幹事(3人)もただ名前を連ねているだけではないのか。その中でも非常勤とはいえ経営をチェックする立場の幹事の責任は重いといえよう。
高鍋信金の2015年3月31日現在の職員数は297人。役員は13名。これだけ多くの役職員を擁しながら、一年前の「金庫概要」が掲載されていたことは何を意味するのであろうか。
担当者の言う「古いままで更新していませんでした。」だけで済む問題ではなく、高鍋信用金庫の杜撰な経営体質が、今も続いている証左ではないだろうか。
(つづく)
【北山 譲】
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