【名門・筑女の異変】筑紫女学園の子会社が『恩を仇で返す』追い出し行為(前)
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負傷者まで出した学校運営をめぐる前理事長と教職員の対立。浄土真宗寺院の住職という原則を無視した新理事長の誕生など、混乱状態にある学校法人 筑紫女学園。浄土真宗の教えに基づく人間教育を建学の精神に掲げているが、現場では、まさに「恩を仇で返す」という言葉がふさわしい実態が明らかになった。筑紫女学園中学・高校の購買部の経営者が、同法人100%出資の子会社から、事業存続のために法外な金額を求められるという追い出し行為を受けていたのだ。
購買部再建の功労者
約10年にわたり、筑紫女学園中学・高校の購買部を経営してきた(有)TAKEDAの代表・武田忠幸氏。先々代の理事長、井浦(いのうら)順爾氏が、赤字経営の購買部をアウトソーシングする方針を打ち立て、武田氏は知人の紹介でその依頼を受けた。もともと商社のサラリーマンとして宝飾品関連を扱い、流通に精通していた武田氏は、筑紫女学園購買部の事業を行うために(有)TAKEDAを設立。卸・販売業者との関係を構築し、購買部事業を立て直した。
武田氏が、筑紫女学園の恩人と言われる所以は、購買部事業にとどまらず、常に生徒を温かく見守り続け、国会見学や就職した卒業生や大学生と在校生の親睦会といった社会勉強の機会を設けるといった、教育者としての一面にある。ある時には、生徒数の減少を憂い、学校運営に提言を行うほか、2012年5月には、東大合格者数日本一の学校法人 開成学園の理事長兼学園長を務めた加藤丈夫氏(現・(独)国立公文書館長)を福岡に招き、常務理事に引き合わせるなど、献身的な活動を行ってきた。
人一倍、筑紫女学園の生徒を想い、行動してきた武田氏。生徒や卒業生の多くが強い感謝の念を抱き続けており、「武田のおじちゃん」のやさしい笑顔は、筑紫女学園の思い出の大切な1ページであるという。まさに「筑紫女学園の恩人」と言っても然るべき存在であるが、現在の筑紫女学園の学校運営が行ったのは、これまでの献身に対する感謝の気持ちの欠片も感じられない追い出し行為に等しい内容だ。
学校関係者によると、筑紫女学園が武田氏に代わって購買部事業を任せようとしているのが、同学園の完全子会社(株)CJクリエイト(本社:福岡県太宰府市、金子修三代表)。同社は、学校関連の収益事業を行うために、2015年2月に設立された。その利益は寄付という形で筑紫女学園に還元される。
「筑紫女学園から購買部を引き継ぐ話を受けたが、武田氏には『3年ほど継続したい』との意向があり、弊社が再委託した場合の試算を行った」(同社担当者)。同社の提案は、武田氏が購買業務を続ける代わりに、15年度450万円、16年度800万円を支払うよう求めるというもの。「月8万円、年間100万円弱の家賃からすれば法外な値段。トントンの経営では到底払える金額ではない」(学校関係者)。難色を示す武田氏は、弁護士を立てて学園側と交渉にあたり、金額を150万円まで抑制。しかし、16年3月末までとする購買部事業委託契約の解約通知が送られたという。
(つづく)
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