2024年11月25日( 月 )

エネルギーの地産地消を目指す(後)

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ
法人情報へ

(株)アズマ

エネルギーを通じてみんなをハッピーに

(株)アズマ 中島 一嘉 社長<

(株)アズマ 中島 一嘉 社長

 アズマは夢の実現のために、社の機能を分社化、企業グループ・アズマックスを形成した。アズマックスでは太陽光発電の普及とともに、それ以外の方法の再生可能エネルギーに取り組んでいく。構想では木質バイオマス発電、小水力発電でも市に貢献していきたい考えだ。

 木質バイオマス発電とは、木を原料とした木質チップを燃料として湯を沸かし、蒸気でタービンを回して発電を行う発電方法。これは燃焼による発電ではあるが、燃料が植物由来のものなので、大気に放出する二酸化炭素の量は増加しない(カーボンニュートラル:植物は大気中の二酸化炭素を固めたものなので、それを大気に放出してもプラスマイナスはゼロという考え方)。八女市は山林が多く、間伐材の問題などもあり、将来的には林業の発展に寄与していきたい考えもある。

 この発電方法は同時に熱も生み出す。この熱を、例えばビニールハウスの室温維持に用いることで農業も盛んになるのではないかと中島社長は考えている。農業と電力の融合、まさに八女モデルが生み出されようとしているのだ。同社では構想に先駆けて、太陽光発電の電力を用いたビニールハウスでのトマトの水耕栽培の開始を予定している。八女モデルの実証を自ら行うことで、啓蒙にも役立てたい考えだ。

 また、農業が盛んであるがゆえに、農業用水路が市内を縦横に巡っている。この水流を発電に用いることで、エネルギーを無駄なく取り出すことも考えているのである。エネルギーの地産地消は、見落とされているさまざまなエネルギーをフル活用することも重要だと中島社長は言う。「みんながハッピーになることが私の事業の目的です。電力を通じて、それを実現したいです。私たちの挑戦はこれから正念場に入っていきます」。

 4月1日、アズマは電力小売事業者に登録された。これにより同社は電力の小売りが可能となった。
 太陽光を通じたエネルギーの地産地消。中島社長の挑戦が始まる。

(了)

<COMPANY INFORMATION>
代 表:中島 一嘉
所在地:福岡県八女市吉田1645-4
設 立:1995年11月
資本金:300万円
TEL:0943-24-4001
URL:http://www.e-azuma.jp/

<プロフィール>
nakasima_pr中島 一嘉
1969年3月、福岡県八女市生まれ。2003年、(有)アズマの代表取締役に就任。07年に(株)アズマに社名を変更。太陽光発電を通じて八女市のエネルギー自給自足を目指す。趣味は買い物。

 
(前)

関連キーワード

関連記事