2024年11月21日( 木 )

創業100周年を機に組織力強化を(前)

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有澤建設(株)

社員との対話が距離を縮める

as マンション・戸建建築を主体に医療・商業施設などでも豊富な施工実績を持つ有澤建設(株)。創業者である現会長の祖父が大工として、島根から福岡にやってきて、この地で仕事を始めたのが1917年。そして、2016年9月に創業100周年を迎える。目下、新社屋建設中で、大きな節目を目前に記念事業も計画中だ。同社の特徴を表すと、まず100年間培われた伝統。そして、地場ゼネコンのなかでも、公共工事に加え特殊な民間工事もこなし、バイタリティが溢れていること。さらに、経営陣が若いことが挙げられる。

 同社の今を切り取るならば、経営陣の若さに注目するべきだろう。100周年の節目を迎え、さまざまな企画を計画しているが、「100周年委員会」の活動のほかにもたくさんの企画が用意されている。社員から提案を募り、実行に移していることを考えれば、組織としての考え方が硬直せず、いろいろな考え方を受け入れる体制はすでにでき上がっていると言える。

 木下英資社長自身、日々心がけていることは社員との対話だ。「中小企業では人材は宝。社員と本音をぶつけ合える関係をつくっておかないと、人は離れてしまう」と社員とのコミュニケーションを重要視する。全社員が今の仕事に対し、どう思っているのか。それを把握するのも、経営者としての役目だ。しかし現場が忙しく、時間的になかなかコミュニケーションが取れていないのも事実。それでも20代、30代の中堅社員が自分の部下を育てようとしている姿を目にする。いつまでも社長自身が決定権を握り、決断している状況では下は育ってこない。そのため、あえて決定することについて、細かく口を出さないようにしている。口を出さずとも、伝えるべきことは伝わっている。社員間の風通しの良さを表している。

テクニックではなく想いの強い人材を

 同社では、地場の中小ゼネコンであっても明確な目的を持っている人材を求めている。建設業での求職者は多くが、大手から地場まで数多くの会社にアプローチしているのが現状だ。そんななか、木下社長は「今の新卒学生は、企業分析はしっかりしている。企業活動や事業内容など表面的なことについてはよく理解している。しかし、それらは二の次でその業種に入って何ができるのか。求職者にとってやりたいこと、そして会社に入ってできることがマッチするなら、ぜひ入ってほしい。当然、弊社ではできないこともあるので、誰も彼もを採用するわけにはいかない」と語る。面接や履歴書のテクニックに頼ろうとする求職者が多いが、同じような仕事をしたければ、ほかにも会社は無数にある。「オンリーワンとして、できることは何か」。そこが聞きたいと木下社長はいう。

(つづく)

<COMPANY INFORMATION>
代 表:木下 英資
所在地:福岡市博多区博多駅南4-4-12(社屋建替えのため下記仮事務所)
現所在地:福岡市博多区博多駅南3-3-12 NYビル5F
設 立:1967年9月
資本金:9,000万円
TEL:092-433-1811
URL:http://www.arisawa.jp

<プロフィール>
ar_pr_s木下 英資
1971年福岡県生まれ。95年に早稲田大学を卒業後、西日本旅客鉄道(株)(JR西日本)に入社。01年、同社を退職し、有澤建設(株)に取締役社長室長として、入社。05年に常務取締役などを経て、10年代表取締役社長に就任した。

 
(後)

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