【名門・筑女の異変】九州電力会長・貫氏は理事会の混乱に説明を!
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司法が無効と判断
理事会運営をめぐる混乱が続いている学校法人 筑紫女学園。理事会内は、前理事長・笠信暁氏とそれを支持する(株)はせがわの元代表・長谷川裕一氏(現相談役)ら理事6名(以下、笠・長谷川派)と、笠氏の理事会運営に反発し、笠氏の解任を求めていた反対派理事6名、態度不明理事2名に分かれ、膠着状態が続いている。また、教職員のほとんどが笠氏の学校運営を問題視し、仮処分を求めた同窓生代表の理事2名に訴訟費用のカンパを行うなどの支援を行っている。
学校関係者以外の読者には、学内の内輪揉めと思い、あまり関心を持たない読者諸兄も少なくはないかもしれない。繰り返しになるが、同法人は税の優遇措置という間接的な税の投入と、国や地方自治体から血税を原資とする助成金が流れ込んでいる。さらに笠・長谷川派には、九州全域で我々の生活に欠かせない電力を供給する九州電力(株)代表取締役会長として学識経験者枠で理事となっている貫正義氏も加わっているのだ。
既報の通り、笠・長谷川派は、笠氏が理事長の時、教職員の意思を無視する学長選任を2度、反対意見に対して都度目的を変更するといった使途不明瞭な忍者村跡地の購入(費用約3億円)および阿蘇の研修施設の安値売却(未遂)、学校法人の寄附行為に記載のない36項目の事業を目的とする収益事業を行う完全子会社(株)CJクリエイトの設立など、問題視される施策を行ってきた。理事長解任議案が提出される3月25日の理事会では、理事会不成立を目論み、評議員会後の理事会を同盟欠席。さらに、笠氏は、退出を止めようとして教職員が校門前につくった人の壁に車で突入。1名と接触する人身事故まで起こしている。
6月10日の理事改選決議が無効として反対派2名の職務執行停止の仮処分を求める申し立てに対し、福岡地裁は8月31日に停止を認める決定を出した。10日の理事会で、笠・長谷川派は、新理事選任議案を通すために強引な手法を行使。全理事14名のうち、笠氏が「報・連・相を怠った」などとして理事会に諮らずに解任した事務局長の充て職理事1名と病欠の理事1名の委任状を無効として数に入れず、6対6の賛否同数の状況を作り出し、さらに、笠氏が理事として1度賛成票を投じたにも関わらず、議長決裁権の行使として2票目を賛成票に投じた。同窓生代表の理事2名は、これらの行為を無効と主張した。
貫かれる無法運営
仮処分によって、反対派6名に代わる県職OBを含む新理事6名が改選されたことになっていたが、10日の決議が認められなければ、この新理事6名を含む理事会によって行われた6月21日の理事会における長谷川氏の新理事長選任も無効。すなわち職務停止となるのである。学校関係者によると、笠・長谷川派は、この仮処分命令を受けて、直ちに異議申し立てを実行。新理事6名に含まれる県職OBが連れてきた現在、事務局長としている人物を理事長職務代理としているという。
親鸞聖人より伝わる浄土真宗本願寺派の教えを建学の精神に掲げ、来年創立110周年を迎える名門・筑紫女学園は、一部の人間によって無法地帯となった。教職員によると、「笠氏を支えているのは長谷川氏のほかに貫氏の存在も大きい」という。電力供給という公共性の高い事業を行う九州電力は、コンプライアンスが厳しく問われる立場にある。その代表取締役会長の立場にありながら、その混乱を招いた側に加担するのであれば、見識が疑われるところである。ステークホルダーである多くの株主は、この問題に危機感を持つのではないだろうか。
本サイト(NetIB-NEWS)を運営する(株)データ・マックスでは、貫氏に対し、筑紫女学園の混乱について説明を求めるべく、取材依頼を行っている。貫氏には、教職員や同窓生から公開質問書も送付されている。電力供給と教育という公に携わる立場において、誠意のある態度を示すことに期待したい。
【山下 康太】
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