【名門・筑女の異変】文科省が調査、九電・貫会長は取材拒否
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学校法人筑紫女学園で続いている理事会運営をめぐる混乱に対し、ついに行政が動いた。複数の学校関係者によると、現在の混乱状況について、事務局長を含む法人事務局の職員3名が文部科学省から呼び出され、12日に同省へ向かったという。
福岡地裁は、理事会内で笠・長谷川派が反対派の理事を一掃した新理事選任に関する6月10日の理事会決議について、理事総数13名の過半数に達していないため無効と判断。新理事の職務執行停止の仮処分命令を出した。すなわち、この新理事を入れて開かれた6月21日の理事会における(株)はせがわ元代表・長谷川裕一氏の理事長選任決議は、効力を失った状態となっている。
『理事長不在』という異常な状況が続くなか、笠・長谷川派と反対派は勢力が拮抗。収拾のメドはついていないが、監督官庁である文科省が調査に乗り出した意義は大きい。笠・長谷川派が行ってきた私立学校法や同法人の寄附行為などに反した運営が混乱の根源であり、国の行政職員が知れば噴飯ものの内容も含まれている。
学校正常化を求めて、かねてより前理事長・笠氏の強権支配と戦ってきた教職員はもちろんのこと、今では多くの同窓生が知るところとなり、同法人に関する情報には高い関心が寄せられている。このようななか、先週末に行った取材依頼に対し、信じられない回答が寄せられた。
取材を依頼したのは九州電力(株)の代表取締役会長・貫正義氏。同氏は、学識経験者枠で筑紫女学園の理事を務めており、今回、現在の混乱状況に関する説明を求めた。貫氏は笠・長谷川派の理事の1人とされ、長谷川氏とともに前理事長の笠氏を支えた人物と言われている。問題視される一連の理事会運営に関与していた可能性が高い。
九電報道部を通じて返された貫氏の回答は、「コメントすることがない」というもので取材は拒否。現在の混乱を招いた笠・長谷川派の理事会運営について、何ら疑問を持っていないということなのだろうか。コンプライアンスが厳しく問われる電力供給会社の代表の立場である以上、その良識も問われるところだが、法やルールはお構いなしの所業を黙認、さらにはそれに加担しているとなれば、同社の代表取締役会長としての資質が疑われる。
【山下 康太】
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