高額化が続くふるさと納税「返礼品」、最大手サイトが一石投じる
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ふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」を運営する(株)トラストバンク(東京都渋谷区)は9月、「換金性の高い返礼品はサイトには掲載しない」と全国の自治体に通達した。「ふるさとチョイス」はふるさと納税に関するサイトでは国内最大手。
ふるさと納税は、実質的には各地方自治体への寄付にあたる。ふるさと納税額のうち2,000円を超える部分について、一定の上限まで所得税・個人住民税から全額が控除される仕組みだ。寄付先は自分の生まれ故郷や、応援したい地方公共団体など、全国どこを選ぶこともできる。特に東日本大震災後は、被災した東北地方に支援の意味を込めてふるさと納税を行う納税者も増えた。地方公共団体から贈られる「返礼品」も魅力のひとつだ。
しかしこのふるさと納税制度に、近年大きなゆがみが生まれつつある。一部自治体でふるさと納税に対する返礼品の高額化が進み、地方公共団体同士の競争が激化しているのだ。高級和牛やマグロ、カツオなどの高級食材セットはもちろん、最近ではドローンを返礼品にする地方公共団体も登場した。このままでは、地方公共団体への寄付というよりも、「地方の名産品や高級品をよりお得に手に入れたい」という功利的な動きをする納税者が増えていくのは間違いない。
トラストバンクの担当者は、NetIB-Newsの取材に「高額な返礼品を提供しようとする自治体はほんの一部。とはいえ、この流れが加速するようだとせっかくのふるさと納税制度が崩壊してしまいかねない。以前からサイト上で注意喚起はしていたが、今回改めてすべての自治体に通知した。納税者、地方自治体、サイト側の三者それぞれの立場でふるさと納税制度を育てていければよい」と答えた。
「お得」に流れるふるさと納税制度に一石を投じる「ふるさとチョイス」の行動を機に、今一度ふるさと納税の本来の目的や精神を振り返ってみるべきではないだろうか。【深水 央】
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