2024年11月28日( 木 )

祝!新潟知事選、米山氏当選~反原発主権者連合絶対勝利

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 NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は、16日に投開票が行われた新潟県知事選について触れた、10月17日付の記事を紹介する。


10月16日に実施された新潟県知事選で原発稼働阻止候補である米山隆一氏が当選した。この選挙始動時から反原発候補としての米山氏の当選を求める情報発信に力を注いできた本ブログ、メルマガとして、この選挙結果を心から祝福する。賢明な判断を示された新潟県の主権者に心からの敬意と感謝の意を表したい。
米山新知事には、主権者の熱い思いをしっかりと受け止めていただき、原発稼働を確実に阻止していただきたいと強く要請したい。
当初、楽勝と言われていた原発推進候補と見られていた森民夫氏はよもやの落選となった。

この選挙の最大の注目点は、民進党が米山氏の推薦を拒絶し、米山氏が民進党を離党して立候補したことである。民進党最大の支持母体である連合の地方組織である連合新潟は、原発推進候補と見られる森民夫氏を推薦した。連合会長の神津里季生氏も原発推進候補と見られる森民夫氏を応援するため現地入りして応援演説した。

民進党の支持母体である連合は、電力、電機、鉄鋼、自動車業界の御用組合が支配している。この4業界の御用組合は、原発稼働、集団的自衛権行使、TPP、辺野古米軍基地建設、消費税増税に賛成なのである。大資本と癒着しているのがこれらの御用組合連合である。
この大企業と癒着する御用組合連合が最大の支持母体である民進党は、実質的に大資本と癒着する「ゆ党」である。

民進党は民進党地区支部長を務めていた米山隆一氏が知事選立候補に際して民進党に推薦を要請したが、この要請を拒絶した。米山氏はやむなく民進党を離党して、共産、自由、社民、市民団体の推薦を受けて知事選に立候補した。

民進党最大の支持母体である連合の地方組織である連合新潟は原発推進候補と理解されている自公が推薦する森民夫氏の推薦を決定した。民進党は連合新潟が森氏支援であることを踏まえて米山氏の推薦を拒絶して知事選対応を自主投票とした。かたちの上では自主投票だったが、実質的には原発推進候補と見られる森民夫氏の支援に回ったと理解される機関決定だった。

この対応の最高責任者は蓮舫氏であり、野田佳彦氏である。蓮舫、野田両氏の民進党執行部は、今回知事選に際して、反原発候補である米山隆一氏の推薦要請を拒絶して、原発推進候補と見られる森民夫氏を実質支援する態勢を取った。この事実を絶対に見落としてはならない。

民進党代表の蓮舫氏は、選挙戦の最終局面で米山氏の応援演説に入った。米山氏有利の情勢が判明して、この行動が取られた。
一政党の代表として許される行動ではない。

主権者が主権者としての意思を実現する上で、何よりも大事なのが選挙である。この選挙では、候補者、政党が公約を明示し、この公約を踏まえて主権者が判断して投票に臨む。その公約と候補者擁立において、蓮舫・野田民進党は米山氏支持を拒絶して、実質的に原発推進候補である森民夫氏を支援する態勢を取ったのである。

それにもかかわらず、選挙情勢が逆転すると、支持を拒絶した米山氏の応援に入り、まるで自分たちが初めから米山氏を支援していたかのような言動を示す。このような行動を取ること自体が、彼らの政治能力の欠如、人間としての資質の欠落を意味していると言わざるを得ない。

今回選挙では、政策を基軸に党派を超えて主権者が主導する行動が取られ、結果として主権者勢力が安倍自公プラス隠れ与党勢力連合に勝利を収めたのである。これこそ、「オールジャパン平和と共生」が提唱してきた選挙戦術である。原発再稼働を許さないという政策を基軸に党派を超えて主権者が主導した「オール新潟」の体制が今回の選挙結果をもたらした。この図式を次の総選挙で日本全国に広げることができれば、安倍政治を終焉させることが可能になる。

何よりも重要なことは、この主権者連合、野党共闘に、「隠れ与党」の「腐った民進党」は必要ないということだ。民進党の良質な部分だけがあればよい。悪質な民進党は主権者が拒絶することが何よりも大事なのである。

※続きは10月17日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第1567号「新潟知事選が立証したオールジャパン方式の破壊力」で。


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・植草一秀の『知られざる真実』

 

 

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