SNS世代の口コミで大ヒットした!アニメ映画「君の名は。」(前)
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いかにもIT(情報技術)時代を象徴する現象である。東宝(株)の2017年2月期の連結純利益は、減益予想から一転して5期連続で最高益を更新する。今夏配給の2本の映画「君の名は。」と「シン・ゴジラ」が、かつてない人気を集めているためだ。大ヒットした要因は、何と交流サイトSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の口コミが威力を発揮したことによるというから、驚きだ。
「君の名は。」の興行収入200億円の大台に乗るかが注目
東宝は10月17日、17年2月期の業績予想を上方修正した。売上高にあたる営業収入は2,340億円で、従来予想を173億円上回る。営業利益は470億円で、従来予想より140億円の増加。純利益は、従来予想より107億円増えて、330億円になる見込みだという。
純利益は14%の減益予想が、一転して28%の増益となり、5期連続で最高益を更新する。何とも景気の良い話なのだ。その主な要因は、アニメ映画「君の名は。」(8月26日公開)や「シン・ゴジラ」(7月29日公開)のヒット。なかでも、「君の名。」は東宝自身が驚く空前の大ヒットとなった。
「君の名は。」の興行収入は、10月16日時点で154億円に達したと発表した。歴代興行収入ランキングで11位だ(興行通信社調べ)。
邦画で150億円を超えるのは、2008年のアニメ映画「崖の上のポニョ」(興行収入155億円)以来、8年ぶり。洋画を含めても、09年公開の米映画「アバター」(同156億円)を超えるのは確実。「ハウルの動く城」(同196億円)、「もののけ姫」(193億円)にどこまで迫るかに、注目が集まっている。一方、「シン・ゴジラ」の興行収入は77.8億円。歴代興行収入ランキング65位のヒットだ。ちなみに、歴代の興行収入では、宮崎駿監督のアニメ映画「千と千尋の神隠し」が308億円と断トツの首位だ。
(つづく)
【森村 和男】
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