シリーズ・金融機関淘汰の時代がやって来た(10)~九州地銀行の16年9月期(中間)決算を検証する(8)
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九州地銀の金融再編の行方を占う(3)
◆昨年の10月1日に肥後銀行と鹿児島銀行が経営統合し、金融持株会社の九州フィナンシャルグループ(FG)を設立。それから1年後の今年10月3日に西日本シティ銀行と長崎銀行を主体とする西日本フィナンシャルホールディングス(FH)が発足。
◆ふくおかFGは地方銀行の中で、総資産第一位の座を保ってきたが、今年4月に横浜銀行と東日本銀行が経営統合して発足した(株)コンコルディアに、16/9月(中間)期、総資産残高日本一の座を奪われている。そのため再び日本一の座を奪い返すために十八銀行との経営統合を発表したふくおかFGだったのだが。
ふくおかFGの金融再編構想に暗雲
ふくおかFGと十八銀行は今年2月26日、来年4月をメドに経営統合する基本契約を締結したと発表するとともに、2018年4月に、十八銀行と傘下の親和銀行が合併すると公表したことが、長崎県の経済界に大きな衝撃を与えることになった。
両行が合併すると、【別表2】の通り、長崎県には第一地銀1行。第二地銀1行(長崎銀行)。信用金庫1(たちばな信用金庫)となる。預貸金残高には県外分も含まれているが、いずれも90%の大台を超えており、圧倒的なシェアを持つ十八銀行と親和銀行の合併は、地域金融の寡占化が一気に進むことが懸念されるからだ。
ふくおかFGと十八銀行は今年8月に最終契約を締結し、12月に臨時株主総会を行うとしていたが、独占禁止法に基づく公正取引委員会の二次審査が長引いており、延期が決まった。経営統合が計画通りに進むかどうかは微妙な段階を迎えている。
地方銀行は人口の高齢化に伴う地域経済の縮小が深刻化し、第二の金融再編の時期を迎えている。九州地銀の再編はふくおかFG・西日本FH・九州FGの3グループを軸に集約されていくもと予想されるが、ふくおかFGと十八銀行の経営統合に暗雲が漂うなか、態度を決めかねている銀行をいかに取り込むか。西日本FHと九州FGにとっては、今まさに、生き残りを賭けた最終決戦を迎えているといえるのではないだろうか。(10・了)
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