コンテナ居酒屋トンキー・モンキー（前）

　かつてJR香椎駅・西鉄香椎駅周辺には商店街が発展し、地域の住民や学生で賑わっていた。しかし、JR九産大前駅の開業で学生の足は遠のき、近郊の大型商業施設の開業で商店街利用客は減少してゆく。さらにJR千早駅の開業で、香椎エリアの活気は失われてしまっていた。それにともない福岡市が計画した再開発事業が本格化し、香椎の街は新たに生まれ変わろうとしている。

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居酒屋トンキー・モンキーと串カツトンキー・モンキー

　2015年８月にオープンした「コンテナ居酒屋トンキー・モンキー香椎店」は、JR香椎駅と西鉄香椎駅に挟まれた再開発地区の中心地に建つ。外観は青に塗装されたコンテナだが、店内はカウンター席・テーブル席が設置され、大きな窓があって開放的な雰囲気。新鮮な魚介類のお造りや自家製さつま揚げなど和食中心のメニューに、豊富な種類の日本酒や焼酎を取り揃えている。今年３月23日、同敷地内に「串カツトンキー・モンキー」をオープン。カウンター席のみで、串カツとちょい飲みをリーズナブルに提供している。

　「香椎駅周辺のある地主さんから、土地の活用についてご相談がありました。その地主さんは、借り入れを行って立派なビルやアパートを建てる意思はなく、『何もなかったら月極めの駐車場でいいや』というお考えでした」と語るのは、トンキー・モンキーを運営している（株）トン・モリス代表取締役の仲盛弘樹氏。仲盛氏は、大学卒業後、地場の金融機関に就職し香椎エリアを担当していた。預金や融資の営業で、顧客の自宅や会社を足しげく訪問し、関係を築き上げていた。そのようななか、再開発で土地が戻ってくる地主から相談を受ける。

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（株）トン・モリス 仲盛 弘樹 代表

　「香椎駅周辺には、サラリーマンが立ち寄る大衆的な居酒屋がたくさんありましたが、再開発が進んで新しくビルが建て替えられたとき、以前と同じようにテナントで入ることが適わないケースも多くあります。ご相談された地主さんに『飲食店がウェルカムの場所を提供すれば、やりたい人がたくさんいると思います』と提案したところ、『じゃあ、仲盛君が自分でやったらいいよ』という話になりました」（仲盛氏）。香椎エリアの現況として、新築物件はそもそも“飲食店お断り”が多いようだ。ビルやマンションの１階が飲食店だと、上の物件の借り手が付きにくいという現状もある。

（つづく）

＜INFORMATION＞
コンテナ居酒屋トンキー・モンキー香椎店
所在地：福岡市東区香椎駅前１-19-43
TEL：092-662-2440
営業時間：午後５時～午前０時
定休日：日曜日（月曜日が祝日の場合は日曜日営業）