2024年12月24日( 火 )

下関ゴルフ倶楽部~敗訴で福田理事長辞任(前)

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golfc NetIB-Newsでは、下関ゴルフ倶楽部の福田理事長ら4人の「ゴルフ半額プレイ」を掲載してきたが、2年に及ぶ審尋を経て、11月30日に判決が下された。下関地方裁判所の泉薫裁判長は、判決の中で、「(被告側が主張する理事会での)承認決議の内容は、理事との自己取引を承認するという重要なもの。しかもそのルールは現在まで継続しているのに(文章が)ないというのはおかしい。コンプライアンスの意識が高い法人であれば、法定の保存期間が経過しても保存するのが通常と言える文書である」と、被告側の主張を全面的に退ける判決を下した。

 その判決に至った経緯について簡単に触れておきたい。

提訴に至る経緯

◆創始者中部利三郎氏の長男である中部一次郎氏の後を受けて、理事長に就任したのは山口銀行田中耕三相談役。その後を受け継いだのは福田浩一山口銀行頭取(当時)だった。その新旧理事長と新旧キャプテンの2人は、経営が赤字にもかかわらず「コース視察制度」を利用して半額でプレーをしていたことが判明した。

◆そのため会員の一部は下関ゴルフ倶楽部に是正を求めたが応じず、会員有志は「下関ゴルフ倶楽部を愛する会」(住興信世話人)を立ち上げ、平成26年10月15日、差額分の返還を求める社員代表訴訟を山口地裁下関支部に提訴した。

◆さらに追い打ちをかけたのは、2013年11月26日に開催された臨時総会の決議だった。
(1)山口銀行と親しい清水建設に総額11億円(坪/180万円)でクラブハウス建て替えを発注する。(2)クラブハウスを建て替えるために費用が必要なので年会費を4万円上げて年12万円とする。を提案。賛成多数で可決承認されたことから、両者の対立が激化することになったのだ。

<判決の内容>
(1)福田浩一理事長(現山口FG会長兼山口銀行会長)
・被告福田は、補助参加人に対し、28万1,600円(3,200円×88回)及びこれに対する平成26年10月26日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え
注:補助参加人は下関ゴルフ倶楽部を指す。また及び以下は同文のため省略する。

(2)梅崎弘毅キャプテン
・被告梅崎は、補助参加人に対し、19万8,400円(3,200円×62回)を支払え

(3)田中耕三前理事長(現山口銀行相談役)
・被告田中は、補助参加人に対し、43万5,200円(3,200円×136回)を支払え 

(4)田口三郎前キャプテン
・被告田口は、補助参加人に対し、199万400円(3,200円×622回)円を支払え

◆新旧理事長の二人及び田口三郎前キャプテンについては原告の請求通りだった。梅崎キャプテンだけは1回分減額されたが、ただこのような裁判において、原告側の主張が全面的に認められることは稀であるといわれる。本来下関ゴルフ倶楽部は会員のためにあるべきなのに、山口銀行の社交場として私物化されていた実態を公が認めたということになるのだ。

(つづく)
【データ・マックス特別取材班】

 
(後)

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