旧ホークスタウンモール、独自性を打ち出し「第三拠点」創出を
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三菱地所(株)が手掛けるホークスタウンモール跡地(福岡市中央区)の大規模商業施設開業が来年に迫っている。商業施設「MARK IS」および分譲タワーマンション2棟が建設予定だ。
以前の「ホークスタウンモール」は、「HKT劇場」や「ホークスタウンフットサルスタジアム」、ライブハウス「Zepp 福岡」など、”コト売り”重視の商業施設が集まり、他の”モノ売り”商業施設とは一線を画していた。しかし球場にやって来る万単位の野球観戦客の取り込み不足などもあり、十分な集客を図ることができなかった。一般的な”モノ売り”施設は天神・博多など都心部に溢れており、アクセス面で劣るこの地に”九州初”店舗などを出店しても、話題や集客の持続性には限界がある。新しい商業施設では、どうすれば集客を望むことができるのか。消費者目線で考察した。
福岡空港、博多湾双方において、博多駅や天神のほうがアクセスが良い。都心部から少し離れた「MARK IS」に人を呼び込むには、博多・天神との直通バスの運行や他の商業施設との連携などを図りながら、独自の価値感を生み出す必要があると考える。
建設予定地近隣には、シーサイドももちエリアが広がっている。シーサイドももちとの循環バスを運行し、新たなウォーターフロントとして展開するのはどうだろうか。東京のお台場のように、エンターテイメントやグルメ、ショッピングを楽しみながら、シーサイドももち海浜公園での散策や福岡タワーの観光、福岡市博物館の観覧も楽しめる観光スポットとして開発する。また、スマートフォンアプリなどの端末で、連携している施設を訪れるとポイントが貯まる楽しみ方や、すでに再出店が決まっている映画館「ユナイテッドシネマ福岡」の半券割引サービスを、「MARK IS」内だけでなくこのエリア全域に広げるなどの仕組みを用いれば、エリア内の連携が強まるとともに足を延ばす客も増加するのではないだろうか。
エンターテイメントの面からいうと、昨年発売され話題になった「VR(ヴァーチャルリアリティ)」に対応した「HMD(ヘッドマウントディスプレイ)」を商業施設内に設置し、HMDを使用したゲームやさまざまな体験ができるような施設を設けてみるのも面白い。日本を代表するアニメーションとコラボレーションすれば、増加する訪日客をも取り込めるかもしれない。まだ東京と兵庫にしか出店がない、子どものお仕事体験テーマパークである「キッザニア」を誘致すればファミリー層獲得の促進も図れるのではないだろうか。また、流行りのボルダリングや若年層に人気が高いスケートボード、海辺を利用したマリンスポーツ施設など、敷地の広さや立地を活かしたスポーツ場を設置することで、気軽にスポーツを楽しみたい人や若者の集客も目指せないだろうか。
昨年、博多駅には「KITTE博多」が開業、天神でも全体を大改修・再開発する通称「天神ビッグバン」が予定され、集客競争はさらに激化していくと予想される。
「MARK IS」の開業は2018年下期予定。ウォーターフロントにある新機軸の観光スポットとして展開することで独自の存在感を打ち出せれば、「福岡市の商業の第三拠点」となるかもしれない。【中尾 眞幸】
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