筑紫女学園の危機に九電役員2名が関与~卒業生父兄が瓜生社長に告発
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混乱を招いた前理事長側を支持
学校法人筑紫女学園の理事会運営の混乱に九電役員2名が大きく関与しているとして、同学園の卒業生父兄が、九州電力(株)の瓜生道明社長に告発していたことがわかった。告発された九州電力の役員は、代表取締役会長の貫正義氏と監査役の井上雄介氏。筑紫女学園では、貫氏が理事、井上氏が監事を務めている。
告発した卒業生父兄は、「告発書は1月30日に送付。瓜生社長はじめ役員全員に、学校法人筑紫女学園理事会における多数の違法・犯罪行為に関するDVDなどの資料(関連リンク参照)を添付し、筑紫女学園の理事、監事の辞任を勧告するよう求めたが、『書面到達から2週間以内』の期限を過ぎても連絡を含めて何ら対応がなされず、無視されたと判断した」とコメント。期限を超えたため、告知通り、事実を公開し、公論に訴えるとしている。
筑紫女学園では5カ月間以上、理事会が開催されないという異常事態が続いている。定期的に実施される文科相認定評価機関による調査で「不備事項が改善されなければ、大学として『不適合』と見なされるかもしれない」(学校関係者)という。最悪の場合、国と県、合わせて10億円弱の補助金が交付されない可能性も。同法人は、企業の営業損益にあたる教育活動収支で、2016年3月期に約9,071万円の赤字を計上。補助金がもらえなければ、数億円規模の損失は必至だ。また、運営サイドの混乱が、入学者数の減少を招くことで、さらなる収入減も考えられる。
添付された資料によると、貫氏は、職務執行停止中の理事長・長谷川裕一氏((株)はせがわ相談役)とともに、「独善的な運営で約95%の教職員の反発を招いた」(同)とされる笠信暁前理事長を支持する理事の1人。昨年3月25日の理事会では、笠氏の理事長解任議案の審議前に退席し、流会を目論んだとされている。一方、井上氏は、「司法(福岡地裁)に無効と判断された理事会決議をはじめ、校地から遠く離れた廃虚付物件(『福岡歴史の町』の跡地)を約4億円で購入する不可解な不動産取引を正当化した」(告発した卒業生父兄)という。
中高一貫教育よる有名大学への高い進学率や陸上部の活躍などで福岡の名門とされた筑紫女学園。同校を混乱に陥れた責任は、福岡・九州の教育上の損失を招くという意味でも非常に重い。また、公共性の高い発電事業を担う九州のトップ企業の役員が、コンプライアンスの意識が疑問視されることはもってのほか。九電は、貫氏、井上氏の責任を追及する声に対し、無視することなく、真摯に向き合うべきではないだろうか。
【山下 康太】
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