2024年11月20日( 水 )

カウベルランドはなぜ乗っ取られたのか

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 大分県玖珠町の公営施設「カウベルランドくす」で起きた乗っ取り事件。入り口ゲート内側には大型トラックが鎮座したまま、1週間以上経過。いまだに入り口をふさぎ続けている。公金が投入された施設であるにもかかわらず、玖珠町の対応が遅いのにはワケがあった。焦点は土地の所有権だった。

 トラブルの発端は開発からこれまで長年にわたり、土地の所有者が、玖珠町ではなく、複数の法人と個人であったことに尽きる。

カウベルランド 施設位置図

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 話は20年前にさかのぼる。正式名称「玖珠町農業・畜産公園カウベルランドくす」は多額の公金を投じ、山野を切り開き造り上げられたレジャー施設。公営施設のため、土地・建物の所有は玖珠町かと思われがちだが、実はそうではない。不可解なことに地権者は玖珠町ではなく、開発前と同じく個人(一部法人)が複数人で所有したままであった。

カウベルランド 敷地一覧表(加工はNetIB-News編集部)

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 その一部を取得したのが、佐賀の運送業者「株式会社 田和通商」だった。同社は2016年12月15日付けで、添付敷地所有者一覧表の「代太郎21人共有」分、約5万1,000m2(総面積:約6万4,000m2)を取得していることがわかっている。そのため土地の所有権を主張し、大型トラックを駐車。「資材置場」として、使用する旨を示す張り紙も確認されている。張り紙には「関係者以外立ち入り禁止」という文言もあり、指定管理業者はおろか、一般住民の入園も拒んでいる。

不動産登記の一部

 通常なら、開発時に玖珠町が土地を買い上げるはずだが、それがなされていなかったのだ。土地の所有権について、玖珠町まちづくり推進課は、「当時の地権者から自治管理していきたいとの意向があったためと聞いている」とコメント。田和通商の行為自体も一般通念上、受け入れがたいことだが、そもそもの発端は玖珠町のずさんな行政処理にある。さらに取材を続けると、敷地内にあるレストランや売店など建物は未登記で、登記上は存在しないことになっている。これも玖珠町が田和通商に強気に出られない要因の1つになっていた。

入園ゲートの貼り紙

駐車されたままのトラック

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【東城 洋平】

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