凋落する有力通販~悠香(3)
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(株)悠香
茶成分配合の石けん「茶のしずく」のヒットで売上高300億円を超える有力通販企業に成長した(株)悠香。しかし、同製品を使用してアレルギー発症が多発したことにより、自主回収や集団訴訟に発展した。今年2月には、グループ企業の(株)Xenaが販売するビタミン含有石けんの表示が、景品表示法違反にあたるとして、措置命令を受けている。こうした状況から、業績に影響がおよんでいるが、急成長から急落となる九州の有力通販企業は珍しくない。これまでの同社の足跡を辿った。
グループ企業の景表法違反 業績低下の追い打ちに?
旧「茶のしずく」騒動を境に業績は急降下。11年6月期は前年比16%減の258億7,300万円、当期利益は同15%減の9億円となり、翌12年6月期は同46%減の140億円でこの年から当期利益は非公開となっており、14年6月期は売上高同36%減の売上高95億円で100億円を割った。直近の16年6月期は売上高103億円と、ここ数年は100億円前後を推移。最盛期からわずか6年で売上高は約3分の1まで減少している。また自主回収以降、一部の消費者への対応への不備があったことや、事業体制への不安や不満で退職者も相次いだという。
業績低下に加えDM発送や返金、そして訴訟対策に対応している間は、分社化していた通販部門のXenaとJour en Jourが同社のけん引役を担っていた。とくにXenaでは、同社の事業を踏襲するかたちで、石けんを中心とする化粧品通販事業に注力。当時、スタッフの流出などがあったため社内体制の変遷が続き、グループ企業8社は合併を繰り返す。14年5月のXena、Christina、悠美科学研究所の3社の合併を最後に、Xenaのみが残った。ここ数年はXenaが中心となり、巻き返しを図っていたと思われる。
しかし、そのXenaが今年2月、同社が販売するビタミンC含有の石けん「VCソープ」の広告表示で、肌のシミを解消できるかのような表示をしていたとして、消費者庁より景品表示法に基づく措置命令が出された。消費者庁と公正取引委員会が行った調査発表によれば、15年2月から11月までに配布した情報誌「よみうりファミリープリュ」「読売家庭版」などに掲載した「VCソープ」の広告で、景表法によって禁止されている「優良誤認表示」と「有利誤認表示」が認められたとしている。その例として、「シミを『ビタミン洗顔』で洗い流しませんか?」、「長年の肌悩み、あきらめる前に!」、「あれ?またシミが・・・」、「それにしても、ビタミンで洗うとは一体!? なんでも、長年しみついた悩みやくすみを、洗顔だけで洗い流すというのだ!」、「このビタミン洗顔だからこそ、シミのもとメラニンを含む、古い角質まで洗い流せるんだとか!」などと表示。景表法(7条2項:表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出)に基づきXenaは資料を提出したものの、合理的な根拠を示すものとは認められなかった。
さらに当該商品の広告内容には、期限までに初回購入した場合、通常価格の半額で購入できると表示していたが、実際は約10カ月間の長期にわたって半額で購入できたといい、消費者庁はこれらの表示が景表法違反であることの周知や、再発防止策を講じるよう、重ねて命じている。同社は自社ホームページ上で「景品表示法に違反するもの」と認め、「お客様をはじめ、関係者の皆様にご迷惑ならびにご心配をお掛け致しました事を、深くお詫び申し上げます」とする謝罪内容を掲載した。
(つづく)
【小山 仁】<COMPANY INFORMATION>
代 表:中山 慶一郎
所在地:福岡県大野城市御笠川5-11-17
設 立:2003年5月
資本金:3,000万円
業 種:化粧品の通信販売
売上高:(16/6)103億円法人名
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