今泉2丁目2区自治会の透明すぎる「町内会報」
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疑念を払拭!飲食費の明細までオープン
福岡市中央区の今泉2丁目2区自治会が、自治会費の使途を詳細に示した「町内会報」(添付画像参照)を発行。「毎月納めている会費が、どのように使われているか、気になっていたが、これは透明化し過ぎている!」と、一部の住民から賞賛の声があがっている。
今回が初めての発行となる同自治会の「町内会報」は、「自治会の活動とお金の使われ方」として、収支報告書を1円単位まで公開。さらに、役員の懇親会、清掃活動や町内の行事などで使用した飲食費すべてを、会場、飲食物の内容、参加者の内訳と数まで明らかにした。また、会計帳簿・領収書・預金通帳については住民の希望に応じて開示するとしている。
自治会収支の透明性もさることながら、他の内容にも工夫が施されている。1面の特集は「地震対策」。家具の転倒防止についてイラストでわかりやすく解説し、避難所の位置については地図で表示。災害備蓄品の内容、福岡市の防災メール、浸水ハザード・防災マップも含めて丁寧にまとめている。また、大正時代の写真とともに今泉の歴史を伝えるコーナーや、自治会のイベント情報も充実。お楽しみは、第1号発行記念の抽選券。当選者には、高級焼酎、シャンパン、ワイン、ペアお食事券など豪華賞品が当たる。
「ひとり暮らしの若い人たちも含めて、多くの住民の読んでいただきたいと思い、みんなでアイディアを出しました」と、同自治会の川瀬輝彦会長。今泉2丁目2区は、510世帯、人口829人、男性351人、女性478人、平均年齢は約42歳(2017年2月2日現在)。ワンルームマンションの一人暮らしの若者が多いという特性がある。「自治会という言葉には馴染みがない」(川瀬会長)として、あえてネーミングを「町内会報」にし、ポストに投げ込まれる大量のチラシと一緒に捨てられないよう、一部ずつ封筒に入れて届けた。
「昨年の6月からスタートしましたが、次々と住民の方が企画に参加され、デザインや校正で多大な協力をいただき、感謝しております」(川瀬会長)。転勤などで住民が頻繁に入れ替わるという現実のなか、透明性を強く意識した自治会運営で、より多くの住民の参画を促し、交流を深めることで安心して暮らせる町を目指していくという。昨今、意思決定プロセスの不透明さを問題視されている自治体の関係者は、この「町内会報」の住民目線の誌面づくりを参考にすべきではないだろうか。
【山下 康太】
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