2024年12月25日( 水 )

下関ゴルフ倶楽部~前代未聞の定時総会招集通知(4)

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 下関ゴルフ倶楽部は12月21日、定例理事会を開催。その代理人である沖田弁護士から12月22日付で、「下関ゴルフ倶楽部を愛する会」の代理人板渕力弁護士と今村俊一弁護士に「ご通知」が送付されてきたが、その内容は下記のようになっていた。

新理事長について
(1)現理事長である福田浩一代表理事は、平成28年12月31日をもって、理事長及び理事を辞任されます。(2)現副理事長である中部哲二代表理事が、平成29年1月1日より、理事長代行として職務を行うことになります。
(3)新理事長は、平成29年3月に開催される定時社員総会までに、理事会で新たに選任することとなりました。

 下関ゴルフ倶楽部の役員改選は、2016年3月23日に開催された定例総会で、18人が選任されたが、福田理事長と中谷正行理事の2人が12月31日付で辞任しており、現在の理事は16名となっている。弁護士である中谷氏が任期半ばで理事を辞任したのは、経営側のあまりにも杜撰な対応に嫌気したからだと見られている。

クラブハウスから望む臨海コース

 きょう30日に開催される下関ゴルフ倶楽部の定時総会に、法人側が理事候補として推薦したのは、監事を辞任した沖田哲義氏(肩書は別表参照)。
 一方、「下関ゴルフ倶楽部を愛する会」(住興信世話人)は、勝山光治氏、木村雅城氏、東原実氏の3名を理事候補として社員提案。定款の定員は25名であり、社員側の3名も過半数以上の賛成票を獲得すれば、理事に就任することが認められるのだ。

 また沖田氏が理事候補となったため、監事が欠員。そのため法人側は小倉國雄氏を推薦している。肩書は別表の通り税理士となっているが、下関税理士協会の会員名簿には名前がないことから問題となりそうだ。
 一方、社員側は住興信氏、松本芳樹氏の2名を推薦。理事候補と同様に、社員側がどこまで票を獲得できるかに大きな関心が集まっている。

※クリックで拡大

 現在、下関ゴルフ倶楽部の理事長は空席となっており、総会後の理事会で理事長が決まることになっている。沖田哲義氏が監事を辞任して理事に立候補したのは、理事長就任を望んでいるからではないかとの憶測が広まっている。沖田氏が理事長ポストに就くようなことになれば、対立がさらに激化することは必定ではないかとの見方が多い。
 ある消息筋は、「中部氏が理事長を引き受ければ一番良いが、それがダメなら理事長代行のままでよい。創業家に大政奉還したことになるからだ」と語る。
 はたして沖田氏が理事長に選ばれることになるのだろうか。いずれにせよ、きょう午後にも決まることになりそうだ。

 だが、新理事長が選任されても、下関ゴルフ倶楽部には大きな問題が横たわっている。データ・マックス特別取材班は別表の通り、下関ゴルフ倶楽部の「貸借対照表」を極秘に入手した。

この貸借対照表から見えるもの

貸借対照表

 福田理事長(当時)は、11億円のクラブハウス建替を提案したとき、「会員の皆さまには決してご迷惑をかけることはございません」と豪語したが、会員権の販売などが思うようにいかず、清水建設へ支払う工事代金を西中国信用金庫から8億円を借入していることがわかったのだ。
 その内訳は、長期借入金4億5,000万円(貸起日:平成28年11月30日 期日:平成43年10月28日 毎月250万円の分割弁済)と短期借入金3億5,000万円となっている。

 清水建設へのクラブハウス建替え代金の支払い期日は、11月30日だったと推測される。西中国信用金庫から借入したのは、下関ゴルフ倶楽部の福田浩一理事長は山口銀行会長であり、山口銀行が融資すると利益相反行為となるためだ。
 山本徹西中国信用金庫会長は下関ゴルフ倶楽部の監事であり、融資を引き受けざるを得なかったのだろうが、下関ゴルフ倶楽部は赤字経営。今後不良債権化する可能性があり、西中国信用金庫にとっては大きな負担となりそうだ。

 中国財務局も、下関ゴルフ倶楽部をめぐる「福田浩一山口銀行会長・田中耕三山口銀行相談役のゴルフ半額プレイによる有罪判決」「不良債権化が予見される西中国信用金庫の8億円融資」――に対して大きな関心を示しているようだ。

 福田理事長は12月31日付で辞任。前田昌宏支配人(山口銀行出身)も退任する動きを見せている。福田前理事長、田中元理事長と歴代の山口銀行頭取が下関ゴルフ倶楽部を私物化した責任は重く、行内においても2人の進退が問われることになりそうだ。

(了)
【データ・マックス 特別取材班】

 
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