商工中金の不正融資、九州では4支店24人が関与
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政府系金融機関の商工組合中央金庫(以下、商工中金)が、国の制度融資で不正な貸付を行った問題で、同社の第三者委員会は25日、調査結果を公表。全国35支店で合計816件の不正が見つかり、職員99人が関与したとされる。
今回の問題は、金融危機や災害などで一時的に経営が悪化した企業に対して、国の助成を受けて運転資金などを低金利で貸し出す「危機対応業務」と呼ばれる融資制度で起こった。「危機対応業務」が適用されれば、日本政策金融公庫が融資額の5~8割の保証を引き受けたうえで、商工中金が融資することになる。適用には危機前と比べて売上高などが一定割合減少していることが条件となっており、今回の問題では、不正を行った職員らは融資要件に合うように、意図的に試算表などの数字を改ざんしていた。
同問題は、昨年10月に商工中金鹿児島支店で、危機対応業務で複数の職員らが取引先の財務諸表を改ざんし、不正に融資を行っていたことが発覚したことが発端となっている。事態を重く見た商工中金により、昨年12月には「危機対応業務にかかる第三者委員会」が設置され、調査が行われていた。
今回の第三者委の調査は、危機対応業務で融資を実行した全22万945口座のうち、不正の疑いのある案件を中心に2万7,934口座を調査したもの。その結果、不正な手続きを経た融資先は全国35支店で760口座。そのうち、危機対応業務の要件を満たさず、改ざんがなければ融資されなかったのは348口座、融資額は計198億2,391万3,000円に上った。
商工中金は今回の事態を受けて、安達健祐社長らが役員報酬の一部を自主返納すると発表した。また、関係した元役員についても一部返納を要請するほか、不正に関わった職員らを厳正に処分するとした。また、調査未了の口座についても継続して調査される。
なお、九州内の商工中金の各支店では、今回の問題の発端ともなった鹿児島支店では20人が256件に関与。そのほか北九州支店は1人が2件、大分支店は2人が10件、宮崎支店は1人が3件にそれぞれ関与し、九州内では4支店24人が271件に関与していたとされている。
▼関連リンク
・商工中金の不正融資、行政処分へ
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