迷走続くカウベルランド 玖珠町、指定管理会社に「取消予定」を通知
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大分県玖珠町の公営農業施設「カウベルランドくす」において、新地権者と指定管理会社、および玖珠町との協議が進まず、昨年12月から事実上の閉園となっているのは、既報の通りだ。
5月中旬、玖珠町より指定管理会社「(有)カウベルランドくす」に、指定管理取り消し予定の通知がなされていたことがわかった。これまでの取材で、同社は2019年3月末まで指定管理を受けていることがわかっており、玖珠町は期間途中での指定管理取り消しを検討していることになる。
指定管理会社によると、昨年12月に一時休園し、経営立て直しのため、組織を改め、再出発する予定にしていた。
問題が発覚して以降、玖珠町は新地権者と指定管理会社との面談を実施。営業権を持つ指定管理会社は、朝倉浩平玖珠町長と3月に話し合いの場を持ち、その際、朝倉町長から「3月末までに何らかの回答をする」と約束を取り付けていたという。
しかし、回答期限を過ぎても、町からの回答はなかった。指定管理会社は、回答を求める催促をしたが、答えは出ないまま。営業継続の意思を示しながら、5カ月間の休業を余儀なくされていた。その間、予約客の受け入れができないうえに、受けていた予約をキャンセルせざるを得ない状況にもあった。
そして5月を迎えて届いたのが、玖珠町からの一方的な指定管理取り消し予定通知だった。取り消しの主な理由は、「赤字続きで財務状況が改善されないため」だった。通知から数日後、玖珠町役場で聴聞会が開催された。町と指定管理会社が対面し、指定取り消し通知に対し、町からの事実確認や指定管理会社が反論を述べる機会だった。
しかしそこに、これまで問題に関わってきた町長や町職員の姿はなかった。職員に関しては、4月の異動は仕方ないにしても、「3月末までに回答する」と述べた朝倉町長は出席せず。通知に記載された「連続赤字」が事実かどうかなどの確認を、まちづくり課の新任担当者が行ったという。
赤字企業とはいえ、再建に向け動き始めていた。もちろんそこには雇用もある。指定管理の取り消しは、専業で施設運営にあたる同社にとっての「死」を意味する重大なもの。5カ月間営業させずに、赤字を理由に締め出す。約束を守らず、肝心な場面には姿を見せない。町長に、20年施設を守ってきた指定管理会社への誠意は見られない。
本日、6月5日から、町議会が始まる。
【東城 洋平】
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