「ヤフーショッピング」はすべて広告?
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大手通販サイト「ヤフーショッピング」が、出店者が広告料を多く払う商品に対して、「おすすめ順」の検索結果上位に表示されるように優遇しておきながら、「広告」と表示していないことが朝日新聞によって報じられた。
同サイトのようなモール(商店街)型と呼ばれる通販サイトは、複数の出店者が同じ商品を販売するのが特徴だ。「おすすめ順」は商品を検索すると最初に出てくるページ。運営するヤフーによると「利用者が選びやすいように商品の販売価格、出店者のサービスへの評価などを自動で点数化し、高い順に表示している」としているが、2015年4月からは出店者が払う広告料によって点数を上乗せしている。
この仕組みはヤフー独自の手法で「PRオプション」といい、16年9月には特許を取得している。同手法は、出店者が販売価格の1~30%を広告料としてヤフー側に支払う約束をしておくことで、実績で積み上げた元の評価に点数を上乗せするというもの。広告料をたくさん払うほど、商品の点数の上乗せ幅が大きくなる。
しかしその結果として、割高な商品が上位にくることもあり、消費者の判断を誤らせてしまう可能性は高い。「売れている順」「安い順」「レビュー件数の多い順」など、「おすすめ順」以外の検索結果では、広告料で順位が上がることはないが、そもそもヤフーも加盟する「日本インタラクティブ広告協会」の指針では、一見して宣伝とわからないネット広告について「広告内や周辺に広告目的で表示されている旨をわかりやすく表示する必要がある」と定めている。
今回、問題視されているのは、広告料によって検索順位を動かしていることと、「広告」と表示していないことだ。他の通販大手では広告料によって順位を動かすことはなく、ネイティブ広告のようなサイトに溶け込むように表示される広告には、「広告」という表記を必ず付けている。
ヤフー側は「サイト全体が広告だと位置づけている」としているが、この手法は、消費者の自主的で合理的な判断を阻害するおそれがある。これではステルスマーケティング(ステマ)といわれてもおかしくないだろう。ステマではないというのであれば、表示方法を改めるなどして、消費者への誤解を生まないような方策を早急に打ち出す必要があるだろう。
【藤谷 慎吾】
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