パチンコ店「モリナガ」(鹿児島市)の社長ら初公判で起訴事実を認める 公選法違反事件

 7月の参議院議員選挙をめぐり、投票の見返りに現金を支払う約束をしたとして、公職選挙法違反(買収)の疑いで鹿児島市のパチンコ店「モリナガ」の社長らが逮捕・起訴されていた事件の初公判が19日、東京地裁で開かれた。

 公判で社長の李昌範被告ら幹部3人はいずれも起訴内容を認めた。

 起訴状などによると、3人はパチンコ店「デルパラ」(東京)と「モリナガ」の各店長などと共謀して、店舗従業員203人に対し、7月20日投開票の参議院議員選挙において自民党比例代表で立候補していた阿部恭久氏に投票すれば報酬を支払うと約束していたとされる。具体的には阿部氏の名前を書いた投票用紙を撮影してメールなどで送れば、残業代名目で報酬を支給することにしていたとされる。

 同事件をめぐっては公選法違反の疑いで「デルパラ」グループの230人が書類送検されており、平成以降で過去最大の選挙事件となっている。そのうち、117人はモリナガの店長や従業員らで、このうち10人が9月26日付で略式起訴され、鹿児島簡裁は10月17日までにそれぞれに対して罰金30万〜10万円の略式命令を出した。また、残りの105人は不起訴、特定少年の2人は9月22日付で家裁送致された。

 なお、モリナガは城山観光(株)(鹿児島市)の子会社であったが、今年1月に約28億円でデルパラに売却されたばかり。

【寺村朋輝】

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