2024年11月25日( 月 )

中国経済新聞に学ぶ~夏休みは3,000万人超が海外へ

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 6月上旬の大学受験が終了し、子どもたちは学校が休みになり、1年で最も重要な旅行の繁忙期がやってきた。夏休みは今や大きな話題になるテーマの1つだ。オンライン旅行会社各社が発表したデータをみると、夏休みの海外旅行者数はのべ3,000万人を突破し、学生の卒業旅行は予算が増えてよりリッチになることが予想される。

「元受験生」の5割が初海外

 旅行予約サイト・携程旅行網が発表した予測報告によると、今年の6月下旬から8月末にかけて、全国の海外旅行者数はのべ3,000万人を突破する見込みだ。これまでに全国143の都市の人々が携程の夏休み海外ツアー商品を予約しており、目的地は66カ国・218カ所に上る。大学受験が終了し、学校が休みになり、今や1990年代生まれの90後と2000年代生まれの00後が夏休み旅行の主力だ。なかでも900万人を超える、大学受験を終えた「元受験生」が中心となっている。携程の海外ツアーと査証(ビザ)申請の予約の統計をみると、海外ツアーに申し込んだ大学受験世代の人々のうち、約50%が初めての海外旅行だという。

卒業旅行の予算が増加 華やかな大都市が人気

 旅行口コミサイト・マーファンウォーがまとめた「2017年卒業旅行報告」によると、17年の卒業生たちは旅行スタイルが明らかにバージョンアップし、進化しているという。予算、移動手段、宿泊、目的地の選択などで、1995年以降生まれの95後は、成熟したプロフェッショナルな旅人へと成長しつつある。
 旅の予算は1人あたり平均2,000~4,000元(約32,000~64,000円)が最も多く32%だが、よくみると4,000元以上が合計で48%を占め、8,000元(12万3,000円)以上も16%に上る。全体として、卒業旅行の予算が例年に比べ増加している。
 旅行オンライン予約サイト「Lvmama.com」の現在の予約状況をみると、今年の卒業旅行の目的地のうち、国内トップ5は北京市、上海市、浙江省、広東省、福建省で、海外・域外では香港地区、澳門(マカオ)地区、タイ、フランス、日本、スイスの人気が高い。華やかな大都市や夏のリゾート地・避暑地として人気の目的地ばかりで、勉強の圧力から解放されたい大学卒業生たちの、世界で「遊び尽くしたい」というニーズが現れているとみられる。

小規模グループの長距離ツアーが主流に 高校生は家族旅行を希望

 マーファンウォーのデータでは、海外旅行を選ぶ大学卒業生が52%を占め、国内旅行を上回った。海外とはいっても、近場のアジア旅行を選ぶ人が58%に上る。小規模グループの長距離ツアーが最も主流のスタイルで、大学卒業生の場合、数人の親しい友人と7~10日程度ののんびりとしたレジャー旅行を楽しむというのが最も理想的な旅のかたちだ。「3~4人のグループでの旅行が最も理想的」とした人が61%、「5~7人」が36%だった。日数では「7~9日間」を予定する人が33%、「10日以上」が29%で、長距離旅行を計画している人が60%を超えた。「一緒に旅行する人は同級生や友人がベスト」とした人が57%に上った一方、1人旅を選択した人も18%おり、家族との旅行は最も人気がなく8%にとどまった。
 注視されるのは、高校生と大学生では旅のパートナー選びに違いがみられたことだ。大学生は友人との旅を最も好み、この割合が高校生より17%高かった。また、まだ完全には自立していない高校生は、家族と旅行したい気持ちが相対的に強く、その割合が大学生を約15%上回った。

東欧旅行熱が急上昇中 「一帯一路」などの影響

 旅行予約サイト・同程旅遊がこのほど発表した「中国人観光客欧州旅行分析報告」によれば、今年1~5月、欧州旅行に関連した商品のインターネットでの注目度が52%上昇し、上昇率はいつも人気がある他の海外旅行先を上回ったという。なかでも「一帯一路」などの政策に後押しされて、5月以降は東欧旅行が著しい伸びを示し、欧州への観光客に占める割合が6ポイント上昇した。
 年初以来、欧州旅行がさまざまな要因に促されて急速に伸びている。1~2月には元旦と春節(旧正月)の連休があって海外旅行需要が活性化され、西欧を主な目的地とした欧州フリーツアー、歳末のショッピングツアーなどの需要が急速に伸び、春節連休にはフランス、イタリア、ドイツ、スイスなどが欧州旅行の人気目的地になった。4月以降は、韓国旅行市場が大きく低迷し、その分の市場の空白を欧州旅行が素早く埋めた。
 5月以降は、「一帯一路」国際協力サミットフォーラムがきっかけとなってシルクロード観光熱が高まり、その影響で沿線の東欧諸国への旅の注目度が目立って上昇し、欧州旅行市場全体の人気をさらに押し上げることになった。


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