商圏分析と物流の最適化 流通小売業が注目するGISとは
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小売業は、立地の良し悪しが売上に直接響く土地産業といわれている。出店するにしても、現在の商圏人口から今後の増減予測、消費者層、交通状況や競合店の存在などさまざまな情報を吟味して出店候補地を絞らねばならない。
そのためには、当然現地に直接人員を派遣して出店候補地を調査せねばならず、店舗開発の専門部門を作るにしろ、調査を外注するにしろ、いずれにしても出店地選びには膨大な費用と時間が掛かる。小売業にとって出店候補地の選定は、重要でありながら高いコストを要求する悩みの種の1つではないだろうか。そこで、近年注目され始めているのが地図システムの導入である。そのなかでも、ESRIジャパン(株)の提案するGISシステムは、流通小売業、物流、不動産、消費財メーカーなど幅広い分野で利用されている。
GIS(Geographic Information System:地理情報システム)とは、地球上にある事物の位置や形状の地図(地図情報)と、文字や数値の属性情報から構成される情報を、視覚化、分析、管理するための情報システム。 地表を「見るだけ」の地図ソフトとは異なり、さまざまなデータをレイヤー化して自由に重ね合わせ、自分が必要とする情報だけをすべて可視化した形でエリアを比べることができる。例えば、新しくスーパーマーケットを出店するための適地選定をするとしよう。検討するべき要素は、周囲の人口、年齢層、競合する他社店舗の商圏などだろうか。
GISが提供する適地選定シミュレーションでは、複数の候補地点を人口や世帯数などの需要情報と競合施設までの距離や時間などとの関係性を元に、より多くの需要や市場シェアを獲得できる地点を抽出できる。さらに競合店の売り場面積などの情報を付加することで、より実情に近いシミュレーションを行うことができる。より詳細な商圏分析を行いたい場合は、商圏分析・商圏レポートが役に立つ。同心円商圏や自動車・自転車・徒歩での移動時間商圏を自由にシミュレーションし、エリア内の人口・世帯・年収・消費額・将来人口を集計した商圏レポートの出力も可能だ。
さらに、商圏の年代別人口構成や年収ランク別構成などのデータを用い、既存店舗を立地特性でグルーピングすることで、候補地点がどの既存店グループに近い特性を持つかが分かり、品揃えの最適化を行うことができる。これまで高いコストが発生していた候補地選定がパソコンやクラウド上で誰でも簡単に行うことができるほか、必要な情報だけを選択し、全てを一つの地図に反映することが出来る。同システムは物流業務にも応用可能だ。配送センターと配送先の住所リストを取り込むことで配送ルートを即座に示すことが可能。車両台数、積載量、到着時間、コスト(賃金・燃費)などの詳細な配送条件と、走行区間の道路網データを参照し与えられた条件下で最も効率的な配送ルートを導き出す。手軽に扱えることからネットスーパーや宅配サービスなどの日々の配送計画に役立てる事ができる。
地図に反映するデータは更新ごとに最新情報に切り替わる。一度導入すれば店舗開発、販売促進、顧客分析、売場改善、物流最適化などさまざまな用途で活用でき、まさに今後の戦略を練るための重要な羅針盤となる。立地が将来を左右する小売業界。たしかな「情報」を掴むことが成功の鍵を握るのではないだろうか。
<COMPANY INFORMATION>
ESRIジャパン(株)
代 表:正木 千陽
本 社:東京都千代田区平河町2-7-1
福岡支店:福岡市博多区上呉服町10-1
設 立:2002 年4月
資本金:5,000万円
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