近くの親類より遠くの他人、クラウドファンディング子育て
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夏休みに入り、最も大変なのは小さなお子さんを持つ親御さんではないだろうか。
普段息子を預けている保育所が夏休みに入ったシングルマザーのA子。悩みの種は、休日に息子をどこへ連れて行くかだ。
「私は自営業なので、給与は安定しておらず、支出は日々の生活費優先です。もちろん、息子には出来るだけ他の子たちと変わらない経験をさせてあげたいと思っています」(A子)。
そこでA子はSNS(ブログ、フェイスブックなど)を利用して友人たちに「誰かB君(息子の名前)の夏の思い出作りに協力してくれん?」と呼びかけた。
「長崎にいる友人から諫早のお祭りに招待してもらえました。友人宅にお泊りして、食事もご馳走になりました。出費は交通費だけで済んだので、本当に助かりました。友人には感謝しています」(A子)。A子の場合は友人だったが、SNSを通じて不特定多数の中から出資者(パトロン)を募る「クラウドファンディング子育て」は今や珍しくない。
国内の事例を紹介すると、オムツ費用の捻出に窮していたシングルファーザーがツイッターを介して支援を呼びかけたところ、オムツの現物やオムツ代金の寄付が集まったというものがある。
両親やその他親族からの支援を期待できないシングルマザー・ファーザーたちにとって、SNSを通じた子育て支援は、子供を産み育てるための、新たな希望になるかもしれない。「遠くの親類より近くの他人」は、SNSの登場で、「近くの親類より遠くの他人」へと変わりつつあるようだ。
【島野 元太郎】
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